成長したい!
でも成長したいなら苦痛が必要です。
「苦痛 + 反省 = 進歩」
世界最大級のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエーツ」の創業者レイ・ダリオ氏の著書「PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則 」を読んだ時に知った成長の方程式です。
2017年のブリッジウォーター・アソシエーツの運用資産残高は1247億ドル(約13兆円)。
もちろんレイ・ダリオ氏も大金持ちです。
現在レイ・ダリオ氏は70歳を超えていますが残り少ない人生、人類に貢献をとの想いで書いたのが本書。
意外なのがレイ・ダリオ氏は決して富裕層の生まれではなく一般的な中流家庭で育った人物であること。
若い時は女の尻を追いかけていたニーチャンだったそうな(本人もそう書いてますw)
そんなどこにでもいるニーチャンが今ではあり得ないくらいの巨万の富を持つスーパー富裕層になったわけです。
その彼がどの様な思考法で成功を手にしたのかは注目に値しますよ。
彼が本書において成長するための方程式として提示したのが
「苦痛 + 反省 = 進歩」
むちゃくちゃシンプルですね。
精神的な苦痛を感じて、回避するのではなく反省するような行動をとれたら、迅速に学び進化できる
苦痛 + 反省 = 進歩
PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則
苦痛を避けることはできない。とくに野心的な目標を追い求めているときには。
信じようが信じまいが、正しくアプローチしていればそのような苦痛を感じるのはラッキーだ。
それは進歩のために解決方法を探す必要があるというシグナルだからだ。 精神的な苦痛を感じて、回避するのではなく反省するような行動をとれたら、 迅速に学び進化できるだろう。
問題、ミス、弱みから生じる苦痛な現実に真正面から向かい合うほうがはるかに効果的であるとわかれば、それ以外の方法をとりたいとは思わなくなる と思う。そうする習慣を身につけるだけのことだ。
たいていの人は辛いときに反省できない 、そして痛みが通りすぎると他のことに注意を向けてしまい、教訓を与えてくれる反省をしない。
苦痛?ひぃい怖い
安心してください。
ここで言われている苦痛というのは身体的な苦痛ではありません。
自分の弱さや欠点、誤りに直面した際に起きる苦痛のことです。
現実を正しく見ようとすれば必ず引き起こる不快感といったら良いでしょうか。
苦痛とは何か?
自分の弱さや欠点、誤りに対面する際に引き起るのは精神的な苦痛です。
苦痛を避けたいのが人間の本性。
しかし「その苦痛にこそ成長の種がある、だから苦痛に真正面から向き合え」というのがレイ・ダリオ氏の提案する成長戦略です。
「No pain、No gain 痛みなくして、成長なし」は真理
分かりやすい例を出してみますね。
卑近な私の例で申し訳ないのですが私は人前で話すのが極めて苦手な人間でした。
大学時代、その話下手を治すためにバナナのたたき売りならぬスマホのたたき売りの仕事に挑戦しました。
仕事内容は家電量販店の〇田電機でお客さんを50人ほど集めその聴衆の面前でスマホのセールスをするというものです。
惨憺たる結果に終わりました。
スマホは全く売れず「景品あげますよ」と声をかけて一旦集めたお客さんが私の話がつまらなく聞くに堪えないがゆえどんどん去っていく。
これほど残酷なフィードバックはないでしょう。
それでもその苦痛というのは成長のために欠かせない「成長の種」なわけです。
成長には苦痛が伴う
強さを得るためには限界を超えて頑張る必要があるが、それは苦痛を伴う。それが自然の根本的な法則だ。
PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則
カール・ユングはこう言った。「人には困難が必要だ。健康のために必要 だ」。
だが人は本能的に苦痛を避ける。 体を鍛えること( 重量挙げとか) でも、心を鍛えること( 欲求不満、精神の不調、困惑、恥など)でも言えることだ。
とくに自分の不完全さという厳しい現実に直面したときには言えることだ。
よくあるシチュエーションだと上司から駄目出しされた時、失敗した時。
ついつい自己弁護したりしがちですよね。
自分が無能であるとは誰しも思いたくないものです。
しかしレイ・ダリオ氏はその自分の無能さを知る苦痛こそが成長の種であると言ってるわけです。
「成長したい」と口で言っている割に自分の無能さという現実からは目を背ける。
これって私たち人間にあるあるなことかなと思います。もちろん私含め。
成長したいのであればまずは自分の弱みという苦痛に対面すべきであるわけです。そしてそれを息を吸う様にできるようになることが重要であると。
この辛い個人の進化の過程をやり抜く道を選べば、当然、もっともっと 高いレベルに「上昇する」
あなたが直面する困難は、あなたを試し、強くする。失敗しないということ は、限界まで頑張っていないということだ。 限界を超えようとしなければ、 可能性を最大限に生かせない。
PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則
限界に挑み、時には失敗し、時には乗り越えて何かを得る。 それは誰にもできることではない。
だがそれができれば、それはゾクゾクするような経験でくせになる。人生 にはそのような瞬間がある。それをもっと欲しいと思うかどうかはあなた次第だ。この辛い個人の進化の過程をやり抜く道を選べば、当然、もっともっと 高いレベルに「上昇する」。
反省するには自分をマシンに見立る
繰り返しますが苦痛に真正面から対面することで初めて成長できます。
再度、私の例で恐縮ですが自分の話がどれだけ下手なのか認識するために自分の喋りをボイスレコーダーで録音して聞くことにしました。
自分の下手糞な喋りを聞くのは苦痛で仕方ない。もう目をそむけたくなる。
それでも録音してみないと自分の喋りの何が悪いのか認識できません。
また友達をお客さんに見立ててセールスをしてみる。すると駄目出しを山ほどもらえました。
きょどりすぎ。変な間が空きすぎ。喩えが分かりづらい。声が裏返ってて痛い。
ボロッカス言われました笑
でもこの第三者からフィードバックをもらうのは極めて重要なことだなと。
そして、その際には「自分の感情」にこだわりすぎないことが極めて重要。
成功する人は自分から一歩離れ、 物事を客観的に見 て 、変化をもたらすことができる
成功する人は自分から一歩離れ、 物事を客観的に見 て 、変化をもたらすことができる。 彼らは偏見に満ちた自分の考えにとらわれず、 他人の視点で物を見ることができる。
PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則
彼らは自分の強み、弱みを客観的に見ることができ、目標達成のために適材を適所に配するよう、 他の人の人となりを見る。 いったんこれを会得してしまえば、達成できないことはなくなる。現実を直視することを学び、使えるリソースをすべて使えばいい。
苦痛に対面できないのは感情があるからなんですよね。
そこでレイ・ダリオ氏は自分を「マシンの様に見立てる」ことの大切さを説きます。
自分をマシンの一部として動くマシンと考える
自分をマシンの一部として動くマシンと考え、よい 結果を生むようにマシンを変える能力があることを知っておこう。
(略)
結果と目標を比較して、マシンをどう改良するかを決めればいい。
PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則
現実を直視すること
なお成長する人ほど苦痛の中に成長の種を見出し、どんどん成長していくわけです。
一方で成長しない人は自己弁護に走ったり、苦痛から目を背ける。現実を見ない。
「苦痛 + 反省 = 進歩」は成長するためのベースとなる考え方であることは疑いようがないですね。
筆者も生意気なことを書いていますがこの「苦痛 + 反省 = 進歩」のインストールまだまだです。
徹底的にこの方程式を頭に刷り込んでいかねばとPRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則を読んで強く思いました。
健全で苦痛な事実を選ぶことも、不健全ながら心地よい妄想を選ぶこともできる
苦痛を回避せず、向かっていこう。自分に甘くならず、あるレベルの苦痛の 中で 働くことが気にならなくなれば、早いペースで進化できる。そういうものだ。
PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則
何 か辛いことに遭遇するたび に、人生の重要な岐路に立つことになる。健全で苦痛な事実を選ぶことも、不健全ながら心地よい妄想を選ぶこともできる 。皮肉なことに、健全な道を選べば苦痛は喜びに変わる。苦痛はシグナルなのだ!
ではまた~。