日本オワた、中国の名創優品(メイソウ)の大躍進を前に敗北

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私は南米コロンビア・メデジンにおいていつも行っているショッピングセンターを歩いていた。
すると日本語のメイソウというロゴのお店を発見した。しかも人が入っておりガヤガヤ感がパない。

コロンビアにおいて日本のブランドはトヨタやホンダやヤマハなど車・バイク以外で見る機会はほとんどなく、まさか日本の小売がコロンビアに進出してるなんてことはないだろうと目を疑った。

と同時にメイソウ?なんか聞いたことあるな。それもそのはずメイソウ(正式名称:名創優品)はユニクロ、無印、ダイソーをパクった中国企業として数年前からネット界隈で悪名を轟かせていたからだ。

メイソウが登場した2013年当初は怪しい日本語の商品がたくさんあり若干馬鹿にされている感があった。

しかし、それから数年経った現在。

私は実際にメイソウの店舗に足を踏み入れて商品を手に取って驚愕した。
もっと言えば脅威を覚えた。

商品が明らかにダイソーより洗練されているように感じたからだ。というか無印のレベルにかなり近づいてる。さらにメイソウの店舗の内装もユニクロに近いと感じた。

というかユニクロですか?w

そのくらいに洗練されたものを感じた。

 
メイソウをただの日本語を使ったパクリブランドともはや笑って済ませることができないのではないだろうか。

実はメイソウはすでに世界中に3600店舗を展開している。

なんとウクライナやジョージアなどの東欧、ミャンマーなど奥地(失礼)にも店舗があるそうだ。3600店舗は盛った数字ではないようだ。

中南米においても積極的に展開しており2018年末時点でメキシコ国内に100店舗を展開。私のいるコロンビアにおいても23店舗展開中だ。さらにメイソウは2022年までに1万店舗展開を目指すと公表している。

対する本家ダイソーは店舗数は国内3367 国外2175の5542店舗だ。国内やアジアを中心に展開しており中南米にはほとんど店舗がない。

グローバルにおける認知度を比べるとメイソウの勝ちではないだろうか?

このままメイソウの破竹の勢いが続くと本家ダイソーは総店舗数でもメイソウに抜かれることになりそうだ。

本記事ではメイソウの創業ストーリーをはじめ、店舗訪問そして実際にメイソウの商品を購入してわかったメイソウのその実力をありのままに紹介する。

日本パクリブランドのメイソウがいつのまにかパクった対象を通り越してグローバルブランドに化けた事実は日本人として複雑な気持ちになるはずだ。

メイソウはいかにしてこれほどまで急成長を遂げることができたのか紐解いていこう。

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メイソウ(名創優品)の創業ストーリー

2013年、中国人起業家の葉国富氏が日本人デザイナー三宅順也氏と共にメイソウ(正式名称:名創優品)を立ち上げた。

この創業者の葉国富氏は凄腕経営者と考えてよいだろう。当初はパクリと批判された怪しいブランドを今や世界中で大人気のグローバルブランドに育て上げることに成功させているのだから。

葉国富氏はメイソウ創業以前にアクセサリーショップ「哎呀呀(Aiyaya)」を創業し、全国にチェーン展開している。

 

さらに葉国富氏は新たなビジネスを模索。世界中を旅して各国の小売のビジネスモデルを観察してきた。100円ショップのダイソーやユニクロ、無印からも影響を受けた様だ。その中でひときわ葉国富氏の目を引いたのは日本の100円ショップだった。

みなさんも知っての通りダイソーは中国人観光客に大人気だ。ダイソーと同じことをやればヒットするだろうと考えるのは当然の成り行き。また当時ミニマリズムが流行し始めていたことにも葉国富氏は着目。

よりダイソーを洗練させたミニマルでシンプルな商品を販売するメイソウのコンセプトが固まった。

共同創業者の三宅順也氏は文化服装学院出身のデザイナー。

三宅氏はスポーツブランドのデザイナーとして働いたのちにフリーランスとして活動しその後メイソウに合流した。

日経オンラインの取材に対して三宅氏の語ったところによるとメイソウの資本と経営は中国にあり、彼自身は経営には関与していないとのことだ。デザインに関してもどこまで関与しているかは不明だ。もしかすると三宅氏はメイソウにおける凄腕デザイナーを演じる一種の日本人俳優なのかもしれない。

三宅氏の写真はメイソウの店内に飾られており、日本人によるブランドであると認知させる効果を狙っているのだろう。

なんだか柔道の道場に飾ってある嘉納治五郎先生みたいで面白い

メイソウは2013年9月に広東省において1店舗目を出店。そこから怒涛のように店舗を展開し2年で1100店舗を展開。中国のみならずタイやベトナム、マレーシアなどの近隣諸国。そしてアラブ首長国連邦(UAE)やロシア、北米、中南米にまで店舗を拡大し現在3600店舗。2018年の売上高は約2600億円。

創業5年でここまで急成長した企業は稀だ。英国のリサーチ会社ユーロモニター・インターナショナルはメイソウは中国においてここ5年で最も急成長した小売店と認定している。

2018年にはWeChatを運営する中国IT大手テンセントやHillhouse Capitalから約160億円の資金調達も実行している。メイソウは海外のビジネス界ではもはやパクリブランドではなく一企業として認知されているわけだ。

メイソウが凄いのはサンリオのハローキティ、米国のアニメであるアドベンチャー・タイム、ぼくらベアベアーズ、セサミストリート、さらにはマーベル・スタジオとも提携している事実だ。

これらキャラクターを使ってオリジナル商品開発も行っている。パクリブランド以上に中身のある小売として実力をつけた。

ただし、日本には会社登記のための東京銀座の本店と数店があるのみ。実質日本でのビジネス活動はほとんどない状態だ。

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店舗を訪問した感想。メイソウは日本の価値の伝え方が日本企業以上にうまい

南米はコロンビアの都市メデジンにできたメイソウの店舗を訪問してみ思ったこと。

それはメイソウはどの日本ブランドよりも日本的である点だ。メイソウは現地消費者に対して日本のブランドと錯覚させるのが無茶苦茶うまい。

ぬいぐるみで懐柔


これでもかとぬいぐるみを店の外から見える位置に配置してこれでもかと日本っぽさをアピールしている。

日本の「Kawaii」という言葉は結構多くの外国人が知っているし「Anime」というソフトコンテンツは誰しもが知っている。日本のブランドだと錯覚させるには十分な効果のあるやり方だろう。

内装もユニクロばりに凝ってる

まず内装の雰囲気が非常に良い。シンプルで可愛らしさのある雰囲気が漂っている。

どこかユニクロチックな雰囲気のあるポスターもでかでかと掛かっている。内装においては確実にユニクロのインスパイアは受けているとみてよいだろう。

どこに何があるのかが非常にわかりやすい。まだ商品棚も商品が取りやすいように最適化されている。

入口の付近にはコスメコーナーが設置されている。

化粧品からフェイスパック、香水まで陳列されている。このコスメコーナーは女性に人気があり常に女性が複数人居てガヤガヤ感を演出している。

店の外を歩いている人がそのガヤガヤしているのを見て「おっなんか面白そうな店だぞ。人も入ってるし」となってもおかしくない。客を店内に誘導する見事な導線が出来上がっている。

また店内にはでかでかと「FROM JAPAN TO THE WORLD」とキャッチコピーが掲げられている。ここまでされて誰がメイソウは日本ブランドではないと考えられるだろうか。

日本ブランドと錯覚させる巧妙な内装の数々だ。

商品の質も高い(というか高そう)

見た感じメイソウの商品の質は明らかにダイソーより良さそうだ。無印よりは少しグレードが落ちるが値段も無印より少し安い。

商品もすごい可愛らしくディスプレイされている。あなたがメイソウを知らない場合この写真は日本の雑貨屋で撮影したと言っても信じるのではないだろうか。

カトラリーセット8万4900ペソ(約3500円)

アロマティフューザー10万9900ペソ(約4200円)

またノルウェーのデザインスタジオPermafrostとコラボし商品開発も行っている。”日本”だけに依存しないブランドを築き上げていく狙いもあるようだ。

ワイヤレスポータブルスピーカー8万9900ペソ(約3400円)

ナイトライト2万4900ペソ(約950円)

以下ガンガン並べていく。

ポータブルスピーカー

 ワイヤレスイヤホン

レディースバッグ。縫い目もしっかりしており4万4900ペソ(約1700円)。メイソウのバッグコーナーも結構女性の人だかりができていたので品質的にも悪くないのだろう。

また米国のアニメキャラとのコラボ商品の開発も積極的に進めている。我々日本人からするとゆるきゃらに見えるが子どもたちには大人気。

    

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メイソウで商品を購入した感想。舐めてました。すんません。リピート客になります。

私はメイソウで加湿器と鼻毛ハサミを購入した。

加湿器の価格は2万9900ペソ(約1100円)

ノートパソコンのUSB電源でも加湿器は駆動する。パソコン作業の時に重宝している。とりわけ私の住んでいる南米コロンビア・メデジンは乾燥している割に加湿器が売っていないので凄く助かる。

銀色に光るパッケージに包まれた鼻毛ハサミを購入した。

鼻毛ハサミ8000ペソ(約300円)

鼻毛ハサミではあるが重厚感がありインテリアとして飾りたいくらいだ。ただどうしても鼻毛ハサミであるがゆえの不潔感が出てしまうので飾れないでいる。

メイソウの加湿器と鼻毛抜きともにデザイン性も悪くない。しかも値段もそこまで高くない。メイソウ様、パクリブランドと舐めててすいませんでした!と謝りたいくらいだ。私は今後もメイソウに足繁く通い続けることだろう。

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世界中で急増する中流階級のニーズをメイソウから学べること

メイソウはうまいな~と思わされる点がたくさんある。

鼻っから日本は市場として考えていなかったはずだ。

三宅順也氏をデザイナー(日本人俳優?)として登用し、「FROM JAPAN TO  WORLD」をデカデカと掲げ商品パッケージにあえて日本語を使用。どう考えてもメイソウを「日本のブランドである」と錯覚させるように取り組んでいる。

ただいくら錯覚させようとしても日本人には「あ~日本風に装ってる中国企業だな」と一瞬でバレて成功しなかっただろう。そもそも日本にはメイソウのようにそこそこの品質でそこそこの価格の雑貨インテリアを売っている店は山ほどあり競合が多すぎる。

しかし、海外だと話は別だ。よっぽど現地在住の邦人もしくは日本通な外国人でない限りメイソウが中国企業だと誰も見抜けないだろう。現地消費者は「日本ブランドの商品なのにこんなに安く買えるの?」とお買い得感を感じるはずだ。

そもそも僕の住んでいるコロンビアや大半の海外の国だとメイソウの様なそこそこの品質でそこそこの価格の雑貨インテリアには膨大なニーズがある。

なぜならコロンビアだと

・安いが品質が悪すぎ
・品質は良いが高すぎ

の2択を迫られがち。

現在、世界のとりわけ新興国においてはそこそこお金を持っている中流階級が増加傾向にある。その中流階級はもはや安かろう悪かろうな商品では満足できなくなってきている。そこそこの品質でそこそこの価格の雑貨インテリアに対する膨大なニーズがあるのだ。そのニーズをごっそり掬うことに成功したのがメイソウと言えるだろう。

実際に買って分かったがメイソウの商品の品質は決して悪くない。そもそも悪いのなら世界80か国3600店舗も展開できなかったはずだ。

メイソウをパクリと馬鹿にするのではなく学習対象にすべきだ。世界中で増える中流階級の消費者ニーズを”日本”ブランドをフル活用してごっそり掬い取って急成長したメイソウから学べることは多いのだから。

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