貧乏人の思考に衝撃受けた、そしてそれが他人事でなかった話

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衝撃だった。

昔々、中南米某国の路上を歩いていた時のことです。

ホームレス風のおっさんが話しかけてきました。

ちょっとでもいいから金くれ、腹減ってて死にそうなんや~頼む

※本当は現地のスペイン語ですが関西弁風にしました

基本的に私は物乞いにはお金を渡しません。単純にケチなのと財布を出した時に盗まれるリスクがあるからです。

ただあまりにもしつこいのと服装がボロボロで少し同情心も芽生えていました。

そこで相当ケチですが10円相当のお金をおっさんに渡しました。

するとおっさんは

お前何やこれは。10円だけか!こんなのなんの腹の足しにもならへんがな。

と逆切れ。

感謝の言葉は一言もなくブツブツと怒った顔で去っていきました。

これに私は衝撃を受けたんですね。

正直
マジか。厚かましすぎやろ。でスッゲー他責。どんだけ依存心が強いんだ」と思いましたね。

こういう話を聞くと

貧乏人は怠惰な奴らだ

正直、こう言ってしまいたくなりますよね。

でもですね、それは早合点かもしれません。

貧乏人の思考には誰でもなり得ます。

本記事では貧乏人の思考の特徴とその思考がどの様に形成されているのか分析していきます。

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貧乏人の思考の特徴を分析してみる

貧乏人は怠惰なのでしょうか?

私自身、大学生の時は常に銀行残高がマイナスでしたし完全に貧乏だった歴史があります。(※郵貯は残高0でも一定額まで引き出し可能だったように記憶してます)
私は生来の怠惰だったかというとそういうわけではないと思っています。

当時の私は「服を衝動的に大量に買うなど無計画な乱費を繰り返していました

ある時、祖父に「好きに使いなさい」とまとまったお金を貰ったんですよね。

恥ずかしい話ですが全て何に使ったかすら覚えていないことに散財してしまいましたね。

で、生来的に私は「怠惰」だったのか?

自分で言うのもなんですが私は大学生になる以前は決して「怠惰」ではなかったと思っています。

高校時代は空手部に所属し全国大会に向けて毎日4、5時間トレーニングしていました。
進学校だったのでトレーニング後は家で大学受験に備えた勉強を2時間していました。

怠惰」ではないですよね。

ただし大学生になって銀行残高0の状態になったり、昼夜逆転したり、無節操な行動ばかりとるようになりました。常にイライラしてましたしね。

高校時代はルーティンがカチッと決まっており環境が良く自制できたわけですが大学生になった途端に自由な時間や自分でお金を管理せざるをえなくなり自制できず堕落した生活を送ることになりました。

生活費を稼ぐためのバイト代も安定せず将来に対して不安を抱えていました。

大学生だった当時の私は完全に以下の3つの思考癖があったように記憶しています。

・近視眼的思考
・衝動的
・他責的

これですね。

これ「貧乏人の思考」と言ってよいと考えています。

これ聞いて怒る人もいるかもしれません。

「貧乏人の思考」てなんじゃこら!ふざけんな!

怒る気持ちも分かります。私自身も上記の思考癖は少しありますしね。

ただ私は30代でセミリタイアしている様な割と裕福な知人・友人を何名か知っています。彼らを観察してると上記の考え方をしている人はいないですね。

もちろん彼らにも感情はありますし怒る時、人を批判する時もあるでしょう。戦うべきときは徹底的に敵を潰しに行く闘争本能も時折垣間見えますし。

しかしそれでも「金持ち喧嘩せず」という諺通りで実利につながらないことで不用意に争ったり、争いに関わるのをできるだけ避けようしてますよね。

前述した

・近視眼的思考
・衝動的
・他責的

をそのままそっくり反対にした

・長期的思考
・自制的
・自責的

という思考癖が裕福な友人には共通しているなと感じます。

筆者はというとこの中間かなという感じです。

ただ大学生だった時は完全に

近視眼的思考
・衝動的
・他責的

でしたね。実際その当時はマジでお金が無くてきつかったです。

家賃も払えなかったので

筆者
筆者

すいません、今月家賃払えません。バイト代入金されるまで待っていただけますか?

大家さん
大家さん

あんた、またかいな。しっかりしいや(怒)‼

と大家さんに毎月怒られていました。

貧すれば鈍する」という言葉がありますがこれは科学的にも極めて正しい表現かなと考えます。

そもそも貧乏な人が貧乏人的な思考をするのは貧乏だからなのです。

逆に言うと貧乏な人でも貯蓄すると別人に変わる可能性は相当に高いと思っています。

そう言える理由を以降で見ていきましょう。

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ストレスが多く将来に希望を持てない生活だと貧乏人の思考になりやすい

先日「貧乏人の経済学」という本を読みました。

この本は発展途上国で膨大な数の聞き取り調査をして貧困層が「どのような認知や行動」をしているのか徹底的に観察した本です。

著者アビジット・バナジーは2019年ノーベル経済学賞を受賞しています。

対象者は発展途上国の貧困層ですが先進国で貧困状態に置かれている人にも十分に当てはまる内容です。

実は私自身読んでいて「大学時代の自分や」と思うことが度々あったんですよね。

発展途上国の貧困層の思考や行動が過去の自分の思考と行動と極めて似通っていたからです。

貧乏人の経済学」の中で出てくる「栄養が足りていない人でも美味しいものやテレビを優先する貧困層」の例は衝撃でしたね。

貧困層は収入が増えたとしてもその増えた分は栄養価の高い食事には当てません。

それよりも栄養価のない砂糖やより高価な「美味しい食事」をするようになると判明しています。

満足に食事をとれていないモロッコの貧困層の男性のセリフも衝撃でした。

「いや、だってテレビは食べ物より大事でしょ!」

わたしたちは彼とその一家をひどく気の毒に思い始めたのですが、そのとき座っていた部屋にテレビ、パラボラアンテナ、そしてDVDプレーヤーがあることにきづいたのです。

もし家族の食べ物が足りないと感じているなら、なぜそういうものを買ったのか尋ねてみました。彼は笑ってこう言うのです。「いや、だってテレビは食べ物より大事でしょ!」

貧乏人の経済学

著者はこうした貧困層の人々の行動を見て以下の様に説明します。

貧乏な人々は生活が変化する可能性について懐疑的

貧乏な人々の世界は、機会がみすみす見過ごされる場所だと思われがちです。なぜそんな買い物を控えて、本当に生活を改善するようなものに投資しないのか、多くの人は疑問に思うでしょう。これに対して貧乏な人々は、機会なる代物や、生活が劇的に変化する可能性についてもっと懐疑的です。

犠牲を払うに値するだけの大きな変化は、とにかく時間がかかりすぎると考えているかのような行動をとります。これでなぜ彼らが目先のことや、できるだけ楽しく生きること、機会に応じたお祝いなどにばかりこだわるかが説明できます。

貧乏人の経済学

またさらに衝動的な行動を取ってしまう理由についてもこう述べています。

「ストレスによるコルチゾールは人を衝動的な意思決定に走らせる」

貧乏な人はかなりのストレス下で暮らしており、ストレスによるコーチゾルはもっと衝動的な意思決定に人を走らせてしまいます。

貧乏人の経済学

なぜ貯金ができずに目の前の誘惑に屈してしまうかについても説明されています。

「手元のお金がほんの少ししかなければ、誘惑財の主張がかなり説得力を持つ」

貧乏な人が本当に欲しいなと思うモノの多く、たとえば冷蔵庫や自転車や子供をよい学校に入れることなどは、かなり高価なので手元のお金がほんの少ししかなければ、誘惑財の主張がかなり説得力を持つ、という事実です。

「どうれせあの冷蔵庫を買えるほどの貯金なんかできっこないよ」と脳内の声は断言します。

「いいからお茶でも飲もうよ…」。結果は負のスパイラルです。

貧乏人の経済学

これインドの貧困層の思考や行動を記述したものですが自分も覚えがあるんですよね。

デジャブ感ありまくり。

私が大学生だった時、将来に対する見通しも立たなかったですし貯金も常にマイナスでしたし(貯金と言わないですね)これといったスキルも技能もない。

そして生活費を稼ぐためにしていたバイトの収入は不安定でストレスだらけ。

手軽に出来る憂さ晴らしは大量に服を買う消費行動や身を飾る事だったわけです。

なぜ自分が服を衝動的に大量に買うなど無計画な乱費を繰り返していたのかの謎が解けました。

ストレスが多く将来に希望を持てない生活の中ではどうしても以下のいわゆる貧乏人の思考になりやすいわけです。

近視眼的思考
・衝動的
・他責的

筆者はこう語ります。

「欲しいものが手の届かないところにあるように見えたらやる気を維持するのはあまりにむずかしい」

動機や規律は生得的なものなのだと思ってしまいがちです。

その結果として、怠け者の貧乏人を甘やかしすぎるのではないかといった心配が常に出てきます。わたしたちに言わせれば、ほとんどの場合の問題は逆です。

欲しいものがすべてどうしようもなく手の届かないところにあるように見えたら、やる気を維持するのはあまりにむずかしい。

ゴールポストをもっと近づけてあげることこそ、まさに貧乏な人々がそれを目指して走り出すために必要なのかもしれないのです。

貧乏人の経済学
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明るい展望を持てると人生観が変わり好循環が生まれる

貧乏人の思考から抜け出すには達成可能であると感じられる長期的な展望を持つことが重要なわけです。

ただそれが著しく難しい状態に置かれているので何らかの外部からの働きかけがきっかけが必要なわけです。

ただ貧乏人的な思考がどの様に形成されているのかについて理解を深めることこそが貧乏人的な思考から抜け出す最初の1歩なのではないか『貧乏人の経済学』を読んで強く思った次第です。

そして貧乏人的な思考というのは他人事ではなく誰しもが持ちえるものであることも判明しました。

貧乏人の経済学』の中では成功例も紹介されています。

貧困支援プログラムにおいて「牛2頭、ヤギ数頭、ミシン」を与えられ定期的に面談での励ましや貯蓄指導を受けることができたバングラディシュの貧困層は人生観が大きく変わったとのことです。

自分の健康、幸福、経済的地位についての自己表現がずっと肯定的になり貯金も増えて資産管理にも自信が出たとのこと。

長期的な計画を立て信念を持ち、少しずつ一ミリでも状況を変化させるべく行動し続けることで現状を変化させ(時には人の助けを借りながら)思考癖すら変化させることができるのは『貧乏人の経済学』から学べる点です。

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