人は変われる。絶対に。
自分なんてダメ人間だ。付き合ってる人も仲のいい友達もいない。職場でも怒られてばっかし。
そう絶望している人もいるだろう。
かくいう私は元々「生きてるのがしんどい」無気力で根暗でネガティブな人間だった。もちろん恋愛でも振られてばかりでダメダメであった。
が最近は人生がそこそこ楽しい。海外に移住したり仕事も順調で本も出版する予定だ。また趣味として英語やスペイン語を習得したりサルサダンスを踊ったりと充実している。恋愛もそこそこうまくいっている。
この変化をもたらしたのはコンビニの「絶対、よくなる!」系の自己啓発書なのか。
違う。全然違う。
確かに私もそれ系の自己啓発書にハマった時期がある。読んだ瞬間は気分が高揚するのだが次の日には元に戻っている。自己啓発書はただのインスタントなエナジードリンクなのだ。
昨今、自己啓発界隈を中心に自己肯定感を高めようとさかんに喧伝されているがその風潮に疑義を呈したい。
自己肯定感を高めても人は変われない、というかそもそも人を変えるもっと簡単でシンプルかつ強力な方法が1つある。しかもこれ意外と誰もやっていない。
以降でその方法について解説していこう。本記事はあなたの人生を変える1記事となるだろう。
人を変われなくする自己肯定感
自己肯定感が高いことが人の変化を妨げることを証明した実験がある。
スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエック教授の名著「マインドセット「やればできる! 」の研究で紹介されている研究だ。
研究チームは小学5年生を400人集めて2つのグループに分けた。
簡単な問題を解かせるテストを実施し、テスト後、片方のグループの子どもたちに対しては「よくできたね」と褒め、もう片方のグループの子どもたちは褒めなかった。
その後に子どもたちに簡単な問題と難しい問題の2つの問題を選ばせた。褒められなかったグループの子どもたちは90%以上が難しい問題を選んだ。一方で褒められたグループの子どもたちは大半が簡単な問題を選んだ。
つまり褒められた子どもたちは一度できた自己肯定感を維持するために挑戦しなくなったのだ。
子供を対象とした実験ではあるが一度掴んだ自己肯定感を維持したいがために挑戦しなくなるのは大人にも当てはまることだろう。
そもそも過去に大きな成功を収めた、トーマス・エジソン、エイブラハム・リンカーンなどの偉大な人物は自己肯定感が低かったことで有名だ。
はっきり言って自己肯定感なんて高かろうが低かろうがどっちでもいいのだ。それよりも重要なのは失敗を過度に恐れることなく行動できるかどうかだろう。
「私は凄い!」という上っ面な自己肯定感ではなく「やればできる!自分は変われる」という自分の可能性に対する信頼こそが自分を変えるための礎となる。
「やればできる、自分は変われる!」というマインドにプラスして行動することが必須だ。
あたりまえだが細マッチョになりたい人が筋トレや運動をせずに家でゴロゴロして細マッチョに変われるはずもない。モテたい人が異性にアプローチすることなくしこしこやっていてモテるはずもない。
行動することが必須なのだ。実は私たちを行動に駆りたてるもっと簡単な方法がある。
具体的で明確な目標と目標に至る道筋を認識すると人は変わり始める
自分を変えるための簡単な方法とは数値目標を設定する事である。
当たり前だろと言われるかもしれないが驚くほど誰もやっていない。
人が変わるためには絶対に必要なのは気合でも根性でも成功イメージでもなく明確で具体的な数値目標 だ。
何に向かってどのような努力をどれだけすればよいのかが明確になって初めて人は行動するのだ。
これは人間の性質なのだ。
人間は今の現実と達成したい将来の目標との間のギャップを明確に認識できた時そのギャップを解消したいと考える。そしてそのギャップを解消するための道筋が見えた時にモチベーションが生まれる。
私の話をさせてもらいたい。
私はガリガリな身体にずっとコンプレックスがあった。もちろんガタイの良い男になりたいと思っていたが筋トレしようとはしなかった。目標が漠然としている時、人は行動を起こそうとしないのだ。
変化があったのは3年前だ。
私は友人がベンチプレスで100キロ上げているのを見て「こいつ細いのにスゲー上げるなと驚かされた」。彼は私と同じく体重は60キロほどで体格もそこまでごつくなかった。「こいつができるなら俺もできるのでは?」と私は考えたのだ。
そして私もベンチプレス100キロ上げようと数値目標を設定した。なんとなしに数値で目標を設定したのだがこれが非常に良かった。 数字の様な具体的に達成したい目標とその目標に至る道筋が自分の中で明確になった時に人は行動を始める。
もちろんいきなり100キロ上げるのは不可能であった。最初は40キロが限界。それも週2回だけ。それでも2か月継続してるともう少し上げれるようになってきた。次は45キロだ。
この時、私は「やればできる、自分も変われるのだ」という感触を得始めていた。
その次は50キロを5回、週に2回上げてみようと目標を設定した。この時にはすでに筋トレが習慣となっておりジムに行くのが苦ではなくなった。
すると次は55キロをあげてみようとなり、とんとん拍子に60キロ、70キロ、80キロ、90キロ、100キロと達成していったのだ。
100キロを達成したときにはすでに私の身体に筋肉もついて 「やればできる、自分も変われるのだ」 というのは確信に変わった。
繰り返すが人が変わるうえで重要なのは明確で具体的な数値目標の設定なのだ。具体的な目標を設定していると今すべきことが明確になり人は行動するようになる。
変わりたい人に伝えたいのは以下の手順だ。
➀一体何をどのように変えたいのかまず考える。
私の例)ガリガリなのでもっとガタイの良い男になりたいと思っていた。
➁具体的で明確な目標を設定する。
私の例)ベンチプレス100キロを上げる
➂目標を達成するために今すべきことは何なのか超具体的に考える
私の例)まずは40キロから5回上げるのを週2回する。
人は変われると一度実感できれば好循環な連鎖反応が起きる
驚くべきことに一度「自分もやればできる、変われるのだ」 と実感できれば次々と連鎖反応が起きてくる。
この 「自分もやればできる、変われるのだ」 というマインドを心理学では自己効力感という。カナダの心理学者バンデューラが提唱した概念だ。
バンデューラは過去数千人に臨床実験を行ってきた。すると苦手なことやコンプレックスを克服したい人はある共通したマインドを持つようになったことが観察できた。
それが前述してきた「自分もやればできる、変われるのだ」 という自信(自己効力感)だ。
そして重要なのがこの自己効力感はインスタントなものではなく長期的に継続するものであり、また別の分野に挑戦する際にも有効に作用したということだ。
つまり筋トレで「自分もやればできる、変われるのだ」 と実感できれば、プログラミング、英語、スペイン語、ダンスなど別の分野に挑戦する際にも 「自分もやればできる、変われるのだ」 というマインドのまま挑戦できるのだ。
これは私も実感がある。筋トレで筋肉がつき始めて 「案外、俺も捨てたもんじゃないな。自分もやればできるんだな」と実感できた。
じゃあスペイン語も英語も習得できそうだと考えて独学での学習に励み習得できた。サルサダンスやタンゴなどのダンスも短期間で習得できた。英語に関しては仕事で翻訳もしている。スペイン語は私が今住んでいるコロンビアの現地人から「本当に独学で習ったの?」と驚かれることもある。
自慢話の様になってしまったが言いたいことつまり「自分は変われるのだ」という何らかの成功体験を積むことが重要であるということだ。
私はその1つの手段として筋トレを推奨している。
なぜなら 筋トレは「自分は変われる」のを非常に実感しやすいものだからだ。ベンチプレスに打ち込めば明らかに胸筋がついてくるのが分かる。さらに最初は40キロしか上げれなかったのが、50キロ、60キロ、70キロとだんだん力がついてるのが目に見えてわかるからだ。
変わるには明確で具体的な目標とその道筋を明確にすること
今回の記事では筋トレを中心に書いた。ただし筋トレでなくともいい。あなたが取り組んでみたいことならなんでもいいだろう。
英語をやりたいと考えているなら
➀一体何をどのように変えたいのかをまず考える。
→英語を話せるようになりたい。
➁具体的で明確な目標を設定する。
→TOEIC800点を目標にする。
➂目標を達成するために今すべきことは何なのか考える
→毎日1時間英語学習の時間を取る。まずは中学校の英語文法をおさらいする。
断言できるが一度、自分の意志で何らかの目標を立てて達成すると他のこともどんどん習得できるようになる。その時には別人に生まれ変わっているはずだ。
コンビニの自己啓発書とは一線を画す自分を変えるための本がスタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエック教授の名著「マインドセット「やればできる! 」の研究だ。沢山ヒントが載っているのは確実なので是非参考にしていただきたい。