中南米のラテンな国におけるサルサは日本でいう演歌のような存在だ。しかし、演歌と違って未だに若者からお年寄りまで現地の人々に聴かれている。
僕の好きなコロンビアでは街の至る所で1970年代のサルサの曲がかかっている。
そしてそれら古い曲というのは時の試練を経ているのだろう、非常にノレる曲が多い。
サルサダンスを踊る僕にとってサルサの曲が良い曲なのかどうかはノレるメロディーかどうかが全てだ。
サルサダンスを踊っていると「この曲ノレない、つまんねー」と感じる曲がある一方で「あっこの曲最高にノレるな」と感じる曲がある。
本記事ではそんな最高にノレる曲だけを集めた。
サルサを知っている人は「これこれ、この曲ノレるよね」
サルサを知らない人は「サルサってこんなノレるメロディーなんだ」
何かしら発見があるだろう。
サルサ中毒な僕が選ぶ最高にノレるサルサ音楽10曲
➀『LLUVIA』ーLuis Ramirez&Ray De La Paz
僕がサルサクラブに行ったときにかかるとマックステンションあがるのがこの曲。
曲名のlluviaとはスペイン語で雨のこと。失恋した男が雨が降る街を寂しく歩いている情景が浮かんでくる。
抑揚がついているので盛り上がるところで盛り上がれる。歌手もノリノリで歌っているのは聞いてるだけでわかる。
この曲でサルサダンスを踊っている動画を見ていただきたい。2人ともノリノリである。
②『El Gran Varon』ーWillie Colon
マッチョ志向な父親とゲイの子供シモンとの確執を歌った曲だ。
シモンが死ぬまで決してシモンを許さなかった父親。しかし、死んだ知らせを聞いて嘆き悲しむ父親。
中南米はマッチョ志向が強いこともあり同性愛に対してあまり寛容ではない。そんなマッチョ志向で保守的な社会への批判を含んだ歌詞だ。
歌詞はなかなか重いのだが、メロディーが素晴らしい。サルサダンスでこの歌がかかると「シモォーン」と叫ぶくらいにノレる曲だ。
➂『Linda Mujer』 ーTimba Y Fabio Gianni
リリースは2014年とサルサの曲の中ではかなり新しい。しかもヨーロッパのイタリア人が作詞・作曲してる点でもユニーク。
この曲無茶苦茶ノレる。サルサクラブで曲がかかるとテンション爆上がりな曲だ。
歌詞も失恋がテーマではなく悪女にもてあそばれている男の気持ちを歌っている点がイタリアっぽい(笑)。
「クソっあの女むっちゃ綺麗だ。毎晩夢に見る。抱きたい。」そこまで露骨ではないがそんなことを歌っている。
➃『Okairi Okaira』ーOrlando pabellon
オカイリ・オカヤ♫というフレーズを繰り返す曲。オカイリ・オカヤの単語の意味はよく分からないのだが、ハイスピードな曲調のこの曲はノリノリになれること間違いなし。
この動画を見てほしい。テンション上がりすぎでワロタw
⑤『Nadie como ella』ーMarck Anthony
知る人ぞ知るサルサシンガーのMark Anthonyの曲だ。Mark Anthonyは英語圏でも人気。
Mark AnthonyはVivir la vidaなど別の曲も有名だが、個人的にはこの曲がMarck Anthonyの曲の中で一番ノレる曲だ。
ザ・ラテンのような曲で歌詞がアツく「彼女のような女性は他にいない。甘美な、美しすぎる。」といった歌詞を繰り返している。メロディーも過熱しすぎだ。
あまりにアツアツな曲なためサルサダンスで踊る相手を選ぶだろう。
⑥『Calle Luna Calle Sol』ーHector Lavoe
内容は治安の悪さをうたったものだ。「道を歩くときは気をつけろ。」と。歌詞が深刻な割にはやたらとノレるメロディなのが不思議だ。
⑦『Te Vas A Acordar De Mi』ーGrupo La Libertad
別れた女への未練たらたらな男の心境をうたった曲だ。
「別れるフリしてるだけだと思ってたよ。でも違った。ほかの男と比べてたんだね。そいつ僕よいいいはずないよ!」
こんな感じの曲だ。曲調にも未練たらたらな男の嘆きが反映されてるように感じられる。
だけれどもそんな事件後に開き直った男が歌っている感じでやや明るさもある。そんな感情が伝わってくるサルサの不思議さ。
⑧『La Cita』ーGaly Galiano
Galy Galianoはコロンビアのサルサシンガーだ。とにかく歌詞とミュージックビデオが強烈。
彼女が浮気をしているのに気付いた男が浮気相手の男のフリをしてホテルで待ち伏せするのだ。コロンビアなら結構ありそうなことかも。。。と思った。
メロディは非常に良いので乗れること間違いなし。
⑨『Stairway to Heaven』ーManuel Gonzalez
オリジナルはサルサの曲ではない。英国のロッググープRed Zeppelinの代表的な曲のサルサバージョンだ。
サルサバージョンではすごくロマンチックな曲に聞こえる。ノリノリにしかも優雅に踊ることができる曲だ。
⑩『Mi bomba sono』ーAlfredito Linares
プンカボン、プンパカパカボンボンと言っていようにしか聞こえない。しかしながらこれは他のサルサの曲にはないような躍動感あふれる曲だ。
人間が人間のままであることを肯定するサルサ音楽
サルサと聞けば中南米の陽気に踊っているラテンな人々の様子が思い浮かぶかもしれない。
筆者が中南米に住んでいてわかったことなのだが、陽気に見えるラテンな人々は内心では苦悩を抱えている人が多い。
「お金がなくて将来が不安」
「治安が悪い」
「この国の政治は腐ってる」
サルサ音楽はラテンな人々のそんな内心を反映しててるように思う。
失恋、家族の死、貧困、腐敗した政治がテーマである曲がほとんどだ。
しかし、サルサではそういった暗いことを明るいメロディーに乗せて歌う。
僕がラテン文化で良いなと思っているのはネガティブな感情もポジティブな感情をそのまま肯定し素直に表現する姿勢だ。
ラテン文化の一端を担うサルサ音楽は人間が人間であることをそのまま肯定してくれる音楽だと感じるのだ。
僕にとってそんなサルサ音楽のメロディーに乗って踊るサルサダンスの時間は何にも代えがたいものだ。
サルサダンスについては以下の記事を参照ください。