金持ちになるには特別な能力や知能は必要ない。むしろ普通な人が金持ちに多い。
それを示したのが金持ち研究の名著として名高いトマス・J. スタンリー博士の「なぜ、この人たちは金持ちになったのか – 億万長者が教える成功の秘訣」です。
100万ドル以上(1億円以上)の資産を持つ733人のお金持ちへのアンケート調査とインタビューによってお金持ちがいかにしてお金持ちになった丹念に解き明かした本です。
本書ではお金持ちは特別に知能が高いわけではないと繰り返し言及されしています。
スタンリー博士はこう言います。
億万長者たちの多くは知能的に恵まれた人たちと直に競わなければならない立場に身を置いたことがない。IQでIQに対抗するのは愚かで多くの場合、無益な事であると彼らはよく理解している。だから代わりに天才たちを雇用する。
私たちはついお金持ちは知能の高い特別な人だと思ってしまいがちですがそうではないというわけです。
お金持ちは別に賢いわけでもなく普通なのか。じゃあ何がお金持ちとそうではない人を分けてるんだ?
本記事ではお金持ちに共通する特徴について紹介します。
お金持ちに共通する5つの特徴
本書では金持ちに共通している以下の5つの特徴を紹介しています。
1.誠実-誰に対しても正直であること
2.自己鍛錬-自分で自分をコントロールすること
3.社会性-人とうまくやっていくこと
4.配偶者の支えがあること
5.勤勉-普通のひとより一生懸命働くこと
これは事実でしょう。
私自身の身近にいるセミリタイアした元転売屋の友人、年収1億を稼いでいるWebデザイン会社を経営している知人を見てみてもそう断言できます。
みな約束は守るし、規則正しい生活をしており良く働いている勤勉な人ばかりです。
「最近、ケフィアヨーグルトとか発酵食品を絶対に食べるようにしてるんだ。若旦那(私)は何食べてる?おすすめある?」
と言ってくる健康マニアもいます笑
Amazonの 「なぜ、この人たちは金持ちになったのか」 読者レビューを読むと以下のようなコメントもありました。
どうやったら金持ちになれるのか、その時意外と盲点なのは「普通の人より働いて儲けたからお金持ちになった」というごく当たり前の視点ではないかと思います。
というものや
質素に暮らすこと。
まさにそれに尽きる。
至極もっともな感想なのですが私はちょっと疑問を持ちました。
誠実、自己鍛錬、社会性、配偶者の支えがある、勤勉、お金持ちの特徴を真似すると自分も資産1億を超えるお金持ちになれるのかな?
答えは絶対に「NO」でしょう。
実際、私たちの周りを見渡しても誠実、自己鍛錬、社会性、配偶者の支えがある、勤勉を兼ね備えている人なのに金持ちじゃない人は沢山いませんか?
あくまでもお金持ちはお金を稼ぐ過程で誠実、自己鍛錬、社会性、配偶者の支えがある、勤勉という資質を備えるようになっただけでしょう。
ビジネスをする上では上記の誠実さとか自己鍛錬は欠かせないですしね。怠け者だとビジネスを作り上げるのは不可能でしょう。
しかし決して誠実、自己鍛錬、社会性、配偶者の支えがある、勤勉だったからお金持ちになったわけでもまたないのです。
もちろんそれらの特徴は重要な事には間違いないです。しかしお金持ちになるためにはもっと重要な押さえておくべきポイントがあるはずです。
先に予告めかしたことを言うと立つ位置が違う、つまり資本家という立ち位置に立つことを目指したからこそ金持ちは金持ちになるのです。著者のトマス・J. スタンリー博士が興味深い指摘をしています。以下で見ていきましょう。
お金持ちになるには自分のビジネスを持つほかない
著者のトマス・J. スタンリー博士は
億万長者らは「適切なときに、適切な場所で、理想的な職業を選択した」と口を揃えて言っています。
億万長者の32%は起業家・自営業者、16%が企業幹部、9%が弁護士、9%が医師、残りは中間管理職、会計士などです。
この統計を見ると自営業者もしくは専門職についている一部の人が金持ちになりやすいという事実に直面します。
企業幹部を目指すのは前途多難です。役職が上がるにつれて競争が激しくなるので再現性はかなり低いと言って良いでしょう。専門職にしても弁護士や医師を目指すのは難しいですよね。
お金持ちになれる可能性が最もあるのは自営業者になることなのです。
これは興味深い事実です。
正社員という労働者の立場で猛烈に働いて莫大な利益を挙げたとしてもその利益は最終的には会社(資本家)に回収されることになります。 資本主義社会はそういう仕組みとなっているからです。
一方で自ら自営業として資本家として商品やサービスを社会に提供するとその利益はそっくりそのまま自分のものになります。
自営業としてビジネスを持つもしくは正社員をしながら副業ビジネスを持つことがお金持ち入りする王道ということなのでしょう。
私自身経験がありますが本業以外のライティングやアフィリエイト、転売などの副業収入が入り始めてから加速的に貯金がたまり始めました。
億万長者はリスクに対する考え方が一般人と大きく違う
トマス・J. スタンリー博士はインタビューしたお金持ちのうちの1人リチャード氏の事例を挙げています。これが興味深いです。
リチャード氏は中流階級の家庭に育ち私立学校に進学。中古トラックの部品販売会社の経営者で年収は70万ドルです。資産は840万ドルを保有。
そんなリチャード氏がどのような経緯で中古トラックの部品販売会社を始めたのでしょうか。
私はこの事業を始めるまでに、8年間あれこれ迷いました。それまでは会社に勤めていたんですが、ちっとも金が貯まらないんで独立して事業を起こすことにしたんです。
なぜ他の仕事ではなくて、中古トラック部品だったのですか?
ホワイト・モーター社(トラックメーカー)に課長補佐として勤めていたんですが、ある日上司から、廃車になったトラックを廃品業者に売って来いと命じられて…なんとか500ドルで売ってきたんです。それから2週間するとまた上司から廃品業者のところに行って中古エンジンを買って来いと言われました。
するとは廃品業者は2週間前に私が売ったトラックからエンジンを外して500ドルで売りつけてきたのです。
リチャード氏はこの経験から廃品業者はとんでもなく儲かるとひらめきを得たのです。
トラックを安く買い取って解体してそのトラックの部品を個別で売れば馬鹿儲けすることに気づいたわけです。
トラックを解体して部品を売るという業態はニッチだかで利益率は非常に高く競争もほとんどない。億万長者になりやすいというわけです。
ただしビジネスチャンスを見つけるだけでは十分ではないです。絶対にやれるという自信が重要です。
独立する際には失敗して一文無しになりやしないかとリスクを考えてどうしても不安になってしまうものですが億万長者はそうしたリスクに対して変わった考え方をします。
億万長者は金銭的リスク(自営業になると正社員と異なり安定収入が得られない)は経済的自立を果たすためには避けては通れない道だと考えています。
むしろ億万長者は自営業者にならず社員でいることのほうが経済的なメリットが少なくリスキーだと捉える傾向が強いそうです。つまりリスクに対する考え方が一般人と大きく異なるのです。
スタンリー博士によると億万長者らは一様に以下のように答えるといいます。
(他の人の下で働くことは)もっと大きなリスクを背負う恐れがありますね。収入源はたった1つしかなく、しかも重要な決定を下す方法は教えてもらえない。決断の仕方なんて、もし自営業だったら自然とマスターできるものなのに。
164p
他人にやとわれて働いていては、決して自分の顧客基盤を作り上げることはできません。蓄財や成功ということに関しては言えば、自分自身にとって[経済的に]いちばんためになることをしていないわけですから…。単に雇い主にとっていちばん利益になる労働を提供しているだけですよ。
現在は副業でリスクを抑えてお金持ちになることも可能になりつつある
本書に対するAmazonのレビューを見てもお金持ちは誠実、自己鍛錬、社会性、配偶者の支えがある、勤勉だったからお金持ちになったのか、ぜひ参考にしようというコメントが多数見られました。
確かに誠実、自己鍛錬、社会性などの特徴はお金持ちの特徴を捉えた真理だと思います。
ただしもっと重要なのが本書で再三指摘されているお金持ちの多くが自営業であること、そして彼ら特有のリスクの捉え方ではないでしょうか。
億万長者のリチャード氏も「会社に勤めていたんですが、ちっとも金がたまらないんで、独立して事業を起こすことにしたんです 」と言っています。
リチャード氏の言葉は‘‘正社員‘‘のままだと普通の人より勤勉に働いてもお金持ちにはなりがたいのではないことを何よりもよく表しています。
正社員のままだと自分がいくら働いて大きな利益を挙げたとしてもその利益はほとんど会社に回収されるからです。
とはいえ現在は本書が書かれた2000年当時とは労働環境に大きな変化が起きています。
正社員という立場のままインターネットでアフィリや転売、プログラミング、ライティングなどの副業をして数百万円から数千万円稼いでいる人も沢山出てきます。会社を辞めなくても正社員のまま自分のビジネスを築きお金持ちになれる道が整ってきているのです。
非常に恵まれた時代に生きていると思います。
「なぜ、この人たちは金持ちになったのか – 億万長者が教える成功の秘訣」を参考にしていかにして億万長者に近づけるのか私も日々研究しています。本書を手に取って一緒に考えてみませんか。