年収を決めるのは優秀さではない
あるWebマーケターは年収800万円に到達している。
一方、もう1人のWebマーケターは年収400万円ほどに留まっている。
20代前半はほとんど収入面の差がなかったのに関わらず30代になると差がグッと開いてきます。
どちらも同じだけ優秀な人物であることは間違いありません。
それではこの差を作ったものは何なのでしょうか?
ひとえに「需要のあるスキルセットを戦略的に獲得していった点にある」と考えます。
年収の高い人ほど自分を1つの商品として捉え労働市場においてどの様なスキルセットを持っていると高値で売れるか把握している傾向が観察できます。
いくら優秀でも企業から需要のないスキルであったりコモディティ化しているスキルしかなければ高く売ることはできません。一方、需要の高いスキルセットを揃えて売り込むことができた人は高年収を確保しているわけです。
とはいえ取り組む仕事は自分の意志ですべて決定できるわけではないです。職場環境や任せてもらえる仕事に左右される「ガチャ運」に依るところもあります。
しかしそれでも自身に足りないスキルや知識を自覚し意識的に習得してきた人はWebマーケターとして総合的な能力を高め経済的、キャリア的に恵まれている人が多いことは確かです。
本記事ではWebマーケターの一般的な平均年収、平均年収を上げるためのキャリア戦略について解説します。
一般的なWebマーケターの平均年収
20代前半 | 341万円 |
20代後半 | 414万円 |
30代 | 485万円 |
40代以上 | 550万円 |
転職会議の調査によるとWebマーケターの平均年収としては全世代平均で432万円となっています。
「あれ意外に低い」と思われるかもしれませんがマーケターの中でもWebマーケターは比較的新しい職業なのでWebマーケターは20代から30代の若年層がほとんどです。そのためこの年収は妥当な数字だと思います。
現在、マーケターのスキルの中でWebマーケティングはとりわけ多くの企業から求められているスキルです。
広告代理店だけでななく事業会社もWebマーケティングを外注ではなく内製化したいと考えている企業が増えています。
しかしWebマーケターは不足している状態です。一定の再現性ある専門スキルを持っているWebマーケターであれば企業によっては年収600~800万円の高収入も狙えるでしょう。
とりわけ「広告代理店・事業会社が内製化したいマーケティング施策領域の専門スキルを持っている」のであれば高収入を得ることが可能です。
世間的には無名の中小広告代理店から大企業やさらには外資系への転職など下剋上が起きやすいのがWebマーケター業界です。
以降ではどのような専門スキルや経験があると収入が上がりやすいのか見ていきます。
Webマーケターの仕事内容
まずWebマーケターが担当するWebマーケティングとはどのような仕事なのかざっくりと解説しておきます。
Webマーケティングとは「インターネット上で消費者との接点を作り、自社商品サービスへの認知度を高めたりブランドイメージを形成し購買につなげること」です。
上記を実行するための仕事内容は多岐に渡りますが大きく分けて以下の3つです。
①集客施策を企画・実行する
②サイト改善を行う
③リピーターを増やす
①集客施策を企画・実行する
集客施策としては大きく分けてSEOとインターネット広告を使い分けていきます。
・SEO(検索エンジン最適化)
・インターネット広告(リスティング広告、アフリエイト広告、ディスプレイ広告、SNS広告)
SEO(検索エンジン最適化)
SEOとは良質な記事(コンテンツ)をGoogleやYahooなどの検索エンジンで上位表示させ集客する方法です。
インターネット広告運用
インターネット広告は広告費を払うことで検索結果やポータルサイトのユーザーの目に入るところに広告を表示し集客します。
インターネット広告は大きく分けて以下の4種類です。
4タイプのインターネット広告
リスティング広告:GoogleやYahooなど検索結果画面の上部に表示する広告
アフリエイト広告:成果報酬型の広告
ディスプレイ広告:ポータルサイトのトップページ、提携サイトに表示する広告
SNS広告:SNSのタイムラインなど画面上に広告する広告
②サイト改善を行う
Webマーケティングでは集客施策を実行するのみでなく施策の効果を計測し広告のパフォーマンスを改善していくためのPDCAを回すことがより重要になります。
③リピーターを増やす
新規顧客と同じくらいに重要なのが継続顧客(リピーター)獲得です。
長期にわたって商品・サービスを購入し続けてくれる継続顧客を獲得するために会員特典を用意したりマーケティングオートメーションを使うなどしてリピーター獲得施策を実施します。
上記で紹介したWebマーケティングの施策を網羅的に把握しており優先順位をつけながら戦略を立案・推進できるWebマーケターであれば多くの企業から引く手あまたでしょう。
以降ではどのようなスキルセットや経験があればどれだけの年収を得られるのか解説します。
年収ピラミッド
Webマーケターの年収は基本的には上の図の様に専門性が高まったりマネジメント側に行けば行くほど給料が上がるようになっています。
企業によりますがレベル別のマーケターの年収相場は以下のようになります。
人材レベル | 経験年数 | できること | 年収 |
レベル1: 新人・見習い社員 | 0~1年 | 仕事を覚える | 300~400万円 |
レベル2: 特定業務の担当者 | 半年~2年 | 担当業務を1人でこなせる | 300~400万円 |
レベル3: 専門家 | 2~5年 | SEO、リスティング広告、SNS広告など特定領域への深い知識があり成果を出せる | 450~600万円 |
レベル4: リーダー・マネージャー | 5年~ | 制作のこと開発のことも分かっていて関係各所と折衝しながら施策を推進できる | 600~800万円 |
レベル5: マーケティング 責任者(CMO) | 8年~ | マーケティング施策の効果最大化のための施策を経営視点から取捨選択できる | 1000万円~ |
年収を着実に上げていくためにはマーケターとしてのレベルを1つ1つ上げていく必要があります。
キャリアの最初の段階では可能な限りSEO、リスティング、SNS広告など自身の強みとなる専門性を高めていくことに注力すべきです。
たとえば「SEO対策ならあの人」、「リスティング広告ならあの人」「動画広告ならあの人」といったように認知されるスキルをまずは身につけられるような仕事選びをすべきなのです。
専門性を高められる経験が積める職場を選ぶようにしましょう。Webマーケターが働くことになる職場は大体以下の2種類に分けることができます。
・広告代理店
広告代理店はクライアント企業のインターネット広告運用を代行する企業です。
広告代理店のWebマーケターはクライアント企業のリスティング広告やSNS広告の代行支援をしたりと特定の領域に特化する傾向が強いです。特定領域の専門性を高めやすいと言えます。
・事業会社
事業会社のWebマーケターは自社サービスの長期的なブランド戦略やリピーター獲得に向けた施策など幅広い業務に関与することが多いです。その分だけ特定スキルの専門性を高めにくいとも言えます。
ただし1つのサービスへのコミットが求められる分だけ自身が行ったマーケティング施策によってどの程度サービスがグロースしたのかが可視化しやすい点がメリットです。
それぞれにキャリア形成上のメリットデメリットがあります。
メリット
専門性がつきやすい
デメリット
オペレーションばかりやらされる可能性も
メリット
Webマーケティング施策全体を担当できる
デメリット
専門性がつきづらい
自分のキャリアのステージに合わせて転職しながらキャリア形成していくのも1つの手段です。
たとえば20代前半は広告代理店でインターネット広告運用のリスティング広告やディスプレイ広告など特定領域の専門スキルを高めます。
そして20代後半から30代で事業会社へ転職して幅広くマーケティング施策全体の管理やマネジメント経験を積んでいくのもありでしょう。
現状ではWebマーケティングスキルがありかつプロジェクトを牽引できるWebマーケターは需要が高いです。
そういったWebマーケターは中小広告代理店から大手の事業会社への転職も十分可能です。
以降で解説する横断的なスキルを身につけると引く手あまたな状態で年収が上がりやすいです。
横断的なスキルを身につけると年収が上がりやすい
専門的スキルを高めるのも必要ですがもう一段階レベルを上げるには横断的なスキルの獲得が必須です。
インターネット広告運用だけ100点
より
インターネット広告運用70点×SEO70点
の方がよりWebマーケティングの総合力がつきますしより課題解決に貢献できます。
またマーケティングだけでなく制作のこと開発のことも分かっていて関係各所と折衝しながら施策を推進できる人も強いです。
テクノロジーやクリエイティブに対する理解もあると良いでしょう。
テクノロジーだとデータから課題を特定するためにBIツールを使う、SQLを叩いて課題を抽出する、MAツールなどのマーケティングソリューションを用いるなど。
クリエイティブだと社内外のクリエイターとやりとりをして効果的なクリエイティブを制作する目利き力など。
副業をしたりスクールに通って足りない能力を補強するのもあり
「インターネット広告運用は強いけどSEOはさっぱり」
「SEOは強いけどインターネット広告運用はさっぱり」
Webマーケターでもインターネット広告運用とSEOの両方が強い人ってそこまで多くないです。
どちらかの能力が欠けている場合はスクールに通ったり副業をすることで高めていくと良いでしょう。
SEOが弱い場合→自分のブログを立ち上げて自分の手を動かしてSEOを習得する。
インターネット広告が弱い場合→インターネット広告運用を教えてくれるスクールに通う。おすすめはデジプロです。
横断的スキルを身につける重要性については以下で解説しています。