筆者は現在、クライアント企業のWeb集客支援に携わっています。
常々思うのが
Webマーケターはなぜ副業をもっとやらないのか?
ということです。
金銭的なメリットはもちろんWebマーケターとしての能力を飛躍的に高めたりキャリア形成につながるのが副業の大きなメリットです。
私はWebマーケターの副業については副業系インフルエンサーよりも知見があると自負しています。
特にキャリア形成に関しては私自身が副業でWebマーケティングのスキルを磨いてきた経験があります。言えることはたくさんあります。
本稿ではWebマーケターにはどの様な副業がおすすめか、どの様なスキル・経験があれば副業できるのか、Webマーケターとして副業案件を獲得する方法について解説します。
Webマーケターとは?
WebマーケターとはWebマーケティングを実行する職種の事です。
そもそもWebマーケティングとは何かについて定義しておきましょう。
Webマーケティングとは「インターネット上で消費者との接点を作り、自社商品サービスへの認知度を高めたりブランドイメージを形成し購買につなげること」です。
以下の2つの施策を実行するのが一般的です。
・SEO(検索エンジン最適化)
・インターネット広告(リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告)
SEOは良質な記事(コンテンツ)や内部・外部リンク対策、サイト構造を最適化しGoogleやYahooなど検索エンジンで上位表示しWebサイトに人を集める手法です。
ただしSEOでサイトの記事が上位表示されるまでは一定の時間がかかります。
一方、インターネット広告はお金を支払い広告を表示します。SEOと異なりインターネット広告は即時に広告をユーザーの目に触れるところに表示できすぐに人をWebサイトに集めることができます。
インターネット広告は大きく分けて以下の3種類です。
3タイプのインターネット広告
リスティング広告…GoogleやYahooなど検索結果画面の上部に表示する広告
ディスプレイ広告…ポータルサイトのトップページ、提携サイトに表示する広告
SNS広告…SNSのタイムラインなど画面上に広告する広告
SEOメリット | 無料 |
SEOデメリット | 集客に時間がかかる |
インターネット広告のメリット | すぐに集客できる |
インターネット広告のデメリット | お金がかかる |
WebマーケターはSEO、インターネット広告を使い分けてWebサイトに人を集める施策を実行します。
筆者の観察するところによるとWebマーケターでSEOもインターネット広告もバリバリできる人は希少な印象です。
「コンテンツ制作でSEOはばっちりできるけどインターネット広告は疎い」
「インターネット広告は分かってるけどSEOは疎い」
SEOかインターネット広告かでどちらかにスキルが偏っているのです。
先日、Webマーケティングスクールのデジプロを運営されている株式会社Hagakure代表の奥雄太氏とも話したのですが
SEOにプラスしてインターネット広告を本格的に運用できる人はあまりいません。SEOとインターネット広告運用の両方できるWebマーケターってかなり希少なんですよ。
とのことでした。
>>実務レベルのWebマーケティングスキルがつくスクール「デジプロ」の取材記事はこちら
副業は自分のスキルセットの中で弱いと感じるスキル、つまりSEO、もしくはインターネット広告で自分が弱いと感じてるスキルを高めるための機会にすべきでしょう。
Webマーケターが副業するメリットは多い
Webマーケターが副業するメリットは非常に大きいですが大きく分けて以下の2つのメリットがあるでしょう。
①金銭的メリット
②キャリア開発的メリット
①金銭的メリット
これは分かりやすいですよね。副業案件の内容に依りますがWebマーケターとしてのスキルを活かせば週1~3日ほどの稼働で月5万円~15万円稼ぐことは十分可能です。
本業での収入が頭打ちしている人にとってこの副業による金銭的メリットは大きいでしょう。
②キャリア開発的メリット
金銭的メリットも副業のメリットですがそれよりも大きいと思うのがキャリア開発に貢献するメリットです。
以下の図は早稲田大学大学院経営管理研究科教授の山田英夫氏の「マルチプル・ワーカー 「複業」の時代」を参考にしたものです。
伏業…会話に伏せてコッソリする仕事(内職など)
幅業…ボランティアやNPO活動など
副業…時間を切り売りする仕事(コンビニや警備員などのアルバイト)
複業…収入も高くケイパビリティも高まる仕事
Webマーケターとしてのキャリア開発ができる複業をやるべきでしょう。
縦軸のケイパビリティとは英語でcapabilityで能力、才能、性能、可能性といった意味を持ちます。
副業(複業)をやるメリットですがまさしくこのケイパビリティを高められる点です。
副業でたとえば自分のスキルであるSEOを売りにするにしてもSEOという商品を売るための営業やブランディング、交渉など市場において商品を買ってもらうための総合的な能力が求められます。
さらにはデザイン、サイト構築、ライティングなど近接領域全体の総合的な能力が問われるケースもあるでしょう。
自分にそれらの能力がなければデザイナーやライターやエンジニアに外注したりそういったネットワークを活用する能力も必要です。
これらの総合的に能力を高めることができる点が副業(複業)をやるメリットだと筆者は思います。
副業をやる中で隣接領域のスキルを習得したり知見を深めたり、本業では失敗できないためにおいそれとはできない様な試行錯誤やPDCAを回すことが副業であれば可能です(特に自分でブログを解説して運営するなどはこれに該当します)
Webマーケターにおすすめの副業
Webマーケターに具体的におすすめな副業については大きく分けて5つあります。
それぞれの副業について
①金銭的メリット
②キャリア開発的メリット
③求められる経験
の3点から考察していきます。
副業①インターネット広告運用代行
Webマーケターでもインターネット広告運用に強い人はインターネット広告代行案件で副業をするのはありだと思います。
現在、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告とすべて副業案件が増加傾向にあります。
SEO系のWebマーケターでもインターネット広告運用をデジプロなどのスクールで勉強した後に副業でインターネット広告運用案件を請けてみて総合力を鍛えていくのはキャリア開発の観点からしても良いでしょう。
SEOとインターネット広告両方に強いWebマーケターは現状だと希少価値がかなり高いです。
①金銭的メリット
インターネット広告運用代行の副業案件としては以下のサイトにおいて週1~2日稼働で月10万円~30万円ほどの案件が確認できました。
②キャリア開発的メリット
副業でインターネット広告運用代行をするメリットとしては現状の本業以外の近接領域のスキルの取得やそのきっかけを得られる点でしょう。
副業でインターネット広告運用を代行するとクリエイティブ(アイキャッチ)を自らデザイナーに発注する機会も出てくるはずです。
そうした際に外部のデザイナーに発注したり訴求軸を考えたクリエイティブにするための企画を考えたり、広告運用結果を見てクリエイティブの訴求軸を変更したりととにかく自らでPDCAを回すきっかけが増えます。
試行錯誤の回数が多ければ多いほどスキルは高まっていきますのでそうしたPDCAを環境を副業で得られるメリットがあります。
③求められる経験
求められる経験は案件によって千差万別です。いくつか実例を挙げます。
□業務内容
リリース予定の不動産メディアのWebマーケティング担当
□求める経験
・リスティング広告、Facebook広告、アフィリエイト等の運用経験
・Google Analytics などを活用したデータ分析の経験 ・データ分析を元にした継続的なマーケティング施策の立案経験
・開発メンバーやビジネスメンバーなどと円滑なコミュニケーションを とることができるコミュニケーション能力
案件例②
□業務内容
自社ECサイト、各ECモールの集客支援を行っていただきます。オーガニックの獲得施策と広告の運用をお任せします。
集客における戦略立案からチャネルの選定など上流から携わっていただきたいです。
□求める経験
・2~18億円の売上規模があるECサイトの集客支援経験(直近1~2年以内)
・広告運用経験
・SEOへの知見・実施経験
・10~17億円規模のサービスの集客
案件例②の様にインターネット広告だけでなくSEOに対する知見が求められるケースもあります。
これは逆に言うとSEOに強いけどインターネット広告に弱いWebマーケターがこうした副業案件をきっかけにインターネット広告に強くなれる貴重なチャンスでもあります。
インターネット広告に弱いのであればデジプロで実際にインターネット広告運用を学ぶなどすると良いでしょう。
副業②SEO対策代行
WebマーケターでもSEO対策に強い人はSEO対策の副業案件を手がけるのも良いでしょう。
現在インターネット広告運用を担当している人でもSEO対策代行案件を獲得して総合的にWeb集客ができるようになるのはキャリア形成の観点から見ても良いでしょう。
SEOの副業案件としては
・既存コンテンツをリライトすることで検索順位を上げる
・新規コンテンツを増やすことで集客する
・外部リンク、内部リンク対策
これらの3つが代表的なものとして挙げられます。
SEOでは自分で記事を書くのも良いですがライターに企画を渡してライターに執筆してもらう方法でも可能です。
①金銭的メリット
以下のサイトで月に20本リライトで5万円といったSEO対策案件や週に2日稼働で月5万円~10万円ほどのものが確認できました。
正直なところインターネット広告よりも金銭的メリットは低いです。
②キャリア開発的メリット
インターネット広告運用代行と比較するとSEO対策の副業案件はさほど多くありません。
またWebライター向けのSEO対策案件が多めです。大量にいるWebライターと競合すると報酬も安くなりますしSEOスキルを上げる旨味はあまりないもしれません。
ただそれでもインターネット広告しかできない人であればSEO対策案件に応募してSEO対策を覚えていくのはキャリア開発の観点からするとありだと思います。
たまにクラウドソーシングサイトにはアフリエイターが発注者としていますので彼らからお金を貰いながらSEOのノウハウを学ぶことも可能です。
実は私自身アフリエイターとしてたまに記事執筆を発注するのにクラウドソーシングサイトを使用しています笑
実は筆者は数年前にクラウドワークスで知り合ったアフリエイター(名前は伏せますが2018年に6億2000万円でアフィサイトを売却した方です。検索すると出てくるでしょう。)からライティングやSEO対策をとことん教えていただたこともあります。
③求められる経験
SEO対策やコンテンツライティングをした経験が求められます。場合によってはライターに記事を発注したり記事の企画などディレクション経験が求められます。
案件例①
□業務内容
ディレクション業務:
・与えられたテーマについて、ライターへの依頼書作成
・外注先ライターへ記事の発注・校正・納品までのディレクション
・必要に応じて自らライティング
ライティング業務:
・既存記事のリライト・編集
→SEOの上位を目指し、少しのリライトを繰り返すイメージです。
□求める経験
・2~18億円の売上規模があるECサイトの集客支援経験(直近1~2年以内)
・SEO上位を目指したライティング業務経験(特にライティングではPDCAの繰り返しを求められます)
・Webライティング・編集能力
・SEOの基礎知識と、SEOキーワードに沿った記事作成
・記事ディレクション経験
副業③Webマーケコンサル
顧客のWEBサイトの課題、たとえばCV率が低い、アクセス数が少ないなどの課題を調査し原因の分析と改善方法を考えて実行する仕事です(実行は顧客自らする場合もあります)
①金銭的メリット
経験とスキルによりますがWebマーケコンサルは経営戦略や売上にダイレクトに影響を与えることになりますので必然的にWebマーケコンサルの報酬も高くなる傾向があります。
たとえば週1回の2時間のコンサルでも月10万~15万円の報酬の案件はざらにあります。
②キャリア開発的メリット
WebマーケコンサルはSEOだけ知っていればいいわけでもインターネット広告だけ知っていればいいわけでもありません。
SEO、インターネット広告だけでなく経営戦略にまで踏み込む場合もあり総合的かつ深い知見が求められます。
副業としてはハードルが高いですがその分だけに経営者に近い立場で仕事をする経験を積むことができます。
最近では社内のマーケティング施策を統括するCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)的な役職が置かれています。
Webマーケコンサルで十分な実績を積めるとこのCMO的な立場へと転身することも可能になるでしょう。
③求められる経験
3年以上Webマーケティング業務に携わりWeb集客に成功した実績がある人であればWeb集客に関するコンサルティング案件を獲得できる可能性があります。
コンサルですので的確で具体的な施策を相手に提案できる能力が求められます。
□業務内容
クライアントコミュニケーション、コンテンツ設計、プロジェクト管理などを担当いただきます。
新規サービスのマーケポジションを担当いただきます。
□求められる経験
【必須要件】
・to B、toCサービスのデジタルマーケティングの知見
【歓迎要件】
・戦略やブランディングから突き詰めて制作に取り組みたい方
・WEBプロダクトに興味がある方
・社内外でのコミュニケーションを大切にできる方
副業④ブログでアフリエイト&アドセンス
ブログに記事を投稿してアクセスを集めていきます。
マネタイズの方法としてGoole広告を貼るGoogleアドセンスとアフリエイトがあります。
筆者が個人的にすべてのWebマーケターにおすすめしたいのがこのブログ運営です。その理由はキャリア開発的メリットが著しく大きいからです。
①金銭的メリット
短期的に金銭的メリットを得るのは難しいです。しかしながら毎日全力で記事を執筆し続けると2か月経つと1000PV、3か月経つと2000PV、半年経つと1万PVと1年経つと3万PVと徐々にブログへのアクセスが増えていきます。
ブログにGoogleアドセンスを貼ると月に数万円の収益は見込めるでしょう。アフィリエイトだとやり方やジャンルによってはそれ以上の収益が見込めます。
私の場合ですが2年経った段階でGoogleアドセンスは月5万円以上でアフィリエイトの収益は基本的に月100万円を下回ったことはありません。
②キャリア開発的メリット
金銭的メリットもありますが自身でブログという名のメディアを立ち上げて一定のアクセスと収益を達成した実績はそのままWebマーケターとしての実績として語ることもできます。
ブログ運営ではキーワードの選定、記事企画、執筆、リライトの一連のPDCAを高速で回しますのでマーケティングスキルがガンガンついていくことになります。
1人で完結して1つのビジネスを回すことになりますのでケイパビリティをつけるという意味ではこれ以上に優れたものはないと思います。
SEO対策に強いことの十分な証明になりますしコンテンツ制作力やディレクション能力、PDCAを回す能力などWebマーケターとしての能力が格段に高くなります。
③求められる経験
求められる経験は0です。毎日継続する根性くらいでしょう。
副業⑤Webサイト制作&集客代行
Webサイト制作も実はWebマーケターの副業としてはかなり美味しいキャリア開発の観点からすると非常にメリットの大きい副業です。
Webサイト制作の中でもとりわけSEOや集客を重視しているクライアントもいますのでWebマーケターの経歴を売り込むことが可能な案件もあります。
①金銭的メリット
サイト制作はそこまで報酬が高いわけではないですが週1~2回稼働すれば10万円ほどの収入は見込めます。
②キャリア開発的メリット
簡単なWebサイトを自分で制作できたりデザイナーにデザインを発注して一通りサイトを制作するスキルはWebマーケターとしては持っておきたいです。
もしWebマーケティングで集客できてもデザインがずざんだったり申し込みボタンが見つからなかったりするとユーザーは離脱してしまいます。
Webマーケティングの仕事は集客だけでなく購入してもらうまでが仕事ですのでデザインやサイト制作にも精通しておく必要があります。
副業ではWebサイト制作案件でもWordPressやHTML/CSSの知識スキルをつけると獲得できる案件も出てきます。
③求められる経験
案件の内容に依りますがWordPressで簡単なカスタマイズができたりワイヤーフレームを作れたり、HTML/CSSの最低限の知識があれば獲得できるケースが多いです。
求人の例
□業務内容
・ワイヤーフレームをもとに、デザイン・コーディング
- ブログTop
- 一覧ページ(カテゴリ、タグ)
- 記事ページ
・既存サイトのサブディレクトリにWordPressの設置
・WordPress管理画面のカスタマイズ
□求められる経験
・WordPressでのブログ構築経験
・PHPファイルの編集が可能なフロントエンドエンジニアの方
WordPressでサイト制作するにはプログラミングスクールのレイズテックWordPress副業コースを受講するのがおすすめです。
既にフリーランスとして案件を獲得してる現役マーケターと師弟関係を結ぼう
副業で案件を獲得するにはフリーランスでガンガン案件を受注している現役Webマーケターのアドバイスを受けるのがベストです。
自分が副業で案件を請けるために足りないスキルがあればどのスキルをどの様につければ良いかアドバイスを貰うのが一番です。
私が知人や友人からキャリア相談されたら必ずおすすめしているのがWebマーケティングスクールのデジプロです。
デジプロを運営している株式会社Hagakure代表の奥雄太氏とも話したのですが本当に素晴らしいスクールです。
現役Webマーケターでスキルをブラッシュアップしたい人や副業したい人にかなりおすすめできます。
講師はサイバーエージェント出身でフリーで大手企業から広告運用案件を請けている講師が揃っています。
受講生の方には現役マーケター講師のフィードバックがとにかく学びになることが多いと高評価です。
デジプロはWebマーケティングのとりわけインターネット広告を中心に学んでいきますが講師はインターネット広告だけでなくSEOに精通しています。
どのスキルをどのように習得していけば良いのかいつでもどこでも学習相談が可能です。
期間は2か月間ですが2か月後には副業やフリーランスとして活躍できる知識とスキル、マインドセットが身についているでしょう。
Webマーケターが副業案件を獲得できるサイトとエージェント
以下で再度Webマーケターが副業案件を獲得できるサイトを紹介しておきます。
プロの副業:Webマーケターの副業案件がかなり豊富です。運営会社は広告・デジタルマーケ領域の転職エージェントの「ホールハート」ですのでWebマーケータ向けの案件が豊富なのは納得ですね。(レビュー記事はこちら)
クラウドテック:クラウドテックの登録企業数は14万件以上と日本最大級。公開案件5342件で非公開案件含むと常時4~5万件あります(※2020年4月11日)
リモートワークや週2、3日勤務の案件は業界随一に豊富、また経験が浅めの人向けの案件もあります。(レビュー記事はこちら)
クラウドワークス:言わずと知れたクラウドソーシングサイトです。とにかく案件が豊富で副業で最初に経験を積むのには最適です。ただし報酬が低い傾向あり。