プログラミングスクールの闇
信じられない失敗談が山ほど出てくる。
知人からこんな悲惨な失敗談を聞いた。
あるオンライン型プログラミングスクール。6か月間のカリキュラムで週1回のマンツーマンレッスンつき。60万円を支払った。仕事も退職しプログラミング学習に打ち込もうと意気揚々。
ただしそこからは悲劇だった。そのスクールが提供している教材は脱字、誤植など間違いだらけ。
結局、彼は自分で購入した教材で勉強する羽目となった。オンラインで週に1回教えてくれる講師が「このスクールの教材は使わないほうが良い」とアドバイスしてくるほどだったという。
教材の間違いについて 運営のサポートセンターに報告したが返信なしのスルー。数か月必死で学んだのに全く知識が身についている感覚もない。最終的には途中解約をするに至ったという。
そして彼は失敗談を語る終盤で「プログラミングスクールは必要ない、すべて無駄だったわ」そう呟いた。
ここに将来のエンジニアが1人失われた。
こういった地雷を踏んで爆死する例は枚挙にいとまがない。仕事を辞めてプログラミングスクールに通学し数十万円も支払ったのに結局、時間とお金を無駄にしてしまった人は多い。
当メディア『ノースキルの逆襲』編集部(須賀)より
当メディア『ノースキルの逆襲』編集部の須賀です。当メディアではこれまで20社以上のプログラミングスクールと受講生を取材してきました。
各スクールの教材や講師についても授業を受講し、チェックした上でおすすめスクールをこちらの記事「本当に力のつくおすすめプログラミングスクールまとめ」で掲載しています。参考にしてくださいね。
最悪な地雷プログラミングスクール
プログラミングスクールは儲かるビジネスだ。いろんな企業がこぞって参入しており玉石混交状態。
たとえ地雷スクールでもそのホームページでは「オーダーメイドの短期集中カリキュラムで有名企業から内定を取れるエンジニアを養成する」などといったフレーズを掲げておりプログラミング学習に無茶苦茶打ち込めそうな雰囲気を醸し出している。素人からすると地雷スクールなのか良スクールなのか判断がつかないだろう。
地雷プログラミングスクールに引っかかって残念なのは金銭的な損失以上に時間的な損失である。数か月そのスクールで学習したのに何も身についていないということが平気で起きしてしまうのだ。
そうした地雷スクールには何らかの地雷源マーカーがある。あなたがもしプログラミングスクール通学を検討しているのであれば以下で紹介する地雷特徴がないか目を凝らそう。
数十万円の時間とお金を無駄にしないためには過剰なくらい慎重になろう。
地雷プログラミングスクールの5つの特徴
おいしすぎる話が盛り盛り
地雷スクールの特徴なのだが過剰に”おいしすぎる”キャッチコピーで煽ってくる特徴がある。
たとえば「独自メソッドで非常識な結果を得られる」みたいなコピーだ。
なんかちょっとこの話おいしすぎない?と感じたらそのスクールに対して慎重になったほうが良いだろう。
おいしすぎる話をしてくる地雷スクールはまだわかりやすくて良い。
ただ最近ではよりその手法がより洗練されており
「1ヶ月でエンジニアにはなれません。そのようなスクールと異なり弊社は~~」みたく”真面目路線”で訴求してくる地雷スクールもある。
上っ面の言葉ではなくそのプログラミングスクールが具体的に何を提供しているのか本質的な価値を見極めなければならない。
そのプログラミングスクールの投資家になったつもりでデューデリジェンス(投資先企業の価値やリスクを精査すること)をしよう。
地雷スクール特徴①インプットばかりでアウトプットの機会がない
基本的に受け身のインプットばかりだとプログラミングは身につかない。手を動かしてアウトプットする中でプログラミングは身につくものである。地雷スクールにはこのアウトプットの機会がほとんどない。
英語でもそうだ。文法や単語などの知識をインプットしただけでは英語を話せるようにはならない。インプットした知識を使って実際に話す練習の機会を持たなければ上達しない。
プログラミングも同様にインプットの機会だけでなくアウトプットの機会が必要だ。
しかし受講生のアウトプットの機会を設けるにはアウトプットの成果物をレビューする人員が必要となる。地雷スクールはできるだけ人件費を抑えたいのでこのアウトプットの機会を減らし必要な人員を抑えコストカットを図っている。
受講生がホワイトIT企業にエンジニアとして続々と就職している定評あるスクールは概してこのアウトプットの機会をふんだんにカリキュラムに盛り込んでいる。インプットとアウトプットのバランスが取れた学習内容なのかどうかはスクールを見極める1つの指針となる。
地雷スクール特徴②受講生の評判が悪い
地雷スクールの黄信号となるのは”受講生の評判が悪い”だ。
誰しもが大満足な評判が完璧なスクールは存在しない。しかしそれでも、やはりあまりにも内容が杜撰だと評判は明らかに悪いものとなる。
Twitterで検索してみると受講生の本音が落ちている。Googleマップでも受講背の本音が多数上がっている。
それら複数の情報源を照らし合わせるとそのスクールの実態が見えてくる。
地雷スクール特徴③メンター・講師の質が悪い
メンター・講師の質が悪いのも地雷スクールの特徴だ。
良スクールであればエンジニア経験があるのは前提で採用テストに模擬授業を課して「教える力」もあるのか見ている。
一方、地雷スクールには人件費を抑えるためだろう、エンジニアと呼べるかどうかも怪しい学生がメンターをやっているスクールもある。
地雷スクール特徴④教材の質が悪い
教材の質が悪いのも地雷スクールの地雷マーカーとなり得る。
・誤字、脱字だらけ
・情報が古い
・動画教材があってもわかりにくい
受講生は教材を使って学習するわけであり、その教材に対して力を入れていないというのはつまり受講生を軽視しているというほかない。
受講を決定する前にスクールに教材を何ページか見せてもらえるか提案しても良いだろう。良心的なスクールであれば普通は見せてくれる。
地雷スクール特徴⑤質問掲示板が機能していない
教材で学んでいてわからないところがあれば質問できる質問掲示板を設けているスクールは多い。
良スクールだとこの質問掲示板に質問が多数投稿されておりその質問に対して1日以内に回答がなされている。質問掲示板の状況はそのスクールの熱意や運営体制を反映した鏡と言える。
一方、地雷スクールでは1週間後に回答がなされていたり最悪な場合には無回答だったりする。地雷スクールの質問掲示板はやり取りがまったく活発ではなく機能していない。もしそのスクールに質問掲示板があるのであれば一度見せてもらうと良いだろう。拒否された場合はちょっとそのスクールはヤバいかもだ。
プログラミングスクールに行く意味はないのか、無駄なのか
プログラミングスクールに行く意味ないというのは半分正しい。
そう(地雷)プログラミングスクールに行く意味は全くない。
極端なくらいに慎重になってスクール選びに当たるべきだ。スクールを訪問したり無料体験を受けてみたりして徹底的に調べ尽くしそういった地雷スクールは避けなければならない。
地雷プログラミングスクールに行く意味はないが良質なプログラミングスクールに行くメリットは確実にある。
プログラミングスクール3つのメリット
地雷スクールを避けて良スクールを選んだならプログラミングスクールには多大なメリットがある。
以下で大きく3つのメリットを紹介しよう。
メリット①実用的なプログラミングスキル習得にのみ重点を置いた短期の学習カリキュラム
3か月~6か月の短期集中型プログラミングスクールは現場で求められるプログラミングスキルの習得に重点を置いて学習できるカリキュラムとなっている。
すべての時間をコーディングの練習にあてプログラミングスキルを高めることだけに集中できる。
一般的なプログラマーは勤務時間の20%ほどしかコーディングに充てれない。他の80%は打ち合わせなどの調整であったりコミュニケーションに充てられている。
一方でプログラミングスクールだとコーディングだけに時間を充てられる。スクールで学ぶ内容はプログラマーの勤務経験数年分を凝縮していると言っても過言ではない。
スクールに入って学習だけに専念するのであればたとえその期間が3か月と短めであったとしても相当な学習効果を得られることは間違いない。
時は金なり。
長い時間をかけて独学でプログラミングを学ぶのではなくスクールを使って最短期間でエンジニアになれればそれだけでスクールには十分な価値がある。
平均的な職業よりも高い収入が得られるエンジニアになるためにスクールに時間とお金を投資するのは悪くない選択だ。
メリット②優良企業へ就職できる
現状のエンジニア就職で「未経験も歓迎、エンジニアになろう」の求人に飛びつくとただエクセルのコピペなど単純作業をやらされる羽目になる可能性は高い。
プログラミングスクールに通ったほうが待遇がしっかりした優良企業へ就職できる確率が高い。ここでいう優良企業とは就職後もしっかりコードを書かせてもらえエンジニアとして市場価値を高めやすい企業のことを指す。
たとえばDMM WEBCAMPなどは卒業生の離職率は2%前後だ。しっかりまともな職場へ就職できている何よりの証拠。
現在、エンジニア就職の採用状況だが実際にすぐ仕事に入っていける実務レベルのスキルがついている人材を欲しがる企業が大半。その実務レベルのスキルを習得するにはプログラミングスクールを利用するのが近道である。
たとえばDMM WEB CAMPなどは3か月400~600時間以上の学習が求められる。RUNTEQ(ランテック)も5か月で計900時間の学習が求められるカリキュラムとなっている。その分だけしっかり実務レベルのスキルがつく。
メリット③やる気の高い人と学習することでモチベを保てる
プログラミングスクールに通う上で想像以上のメリットがやる気の高い人と一緒に学習することで刺激をもらえることだ。学生時代のことを振り返ってもらえればわかるだろう。
○○君あの問題も簡単に解いてて凄い!私も頑張ろう。
そういう風に思ったことがある人は多いだろう。プログラミングスクールでも同じことが起きる。
同じ時期に学習を開始した人が自分よりも学習が進んでいる。自分も負けてられないと学習のモチベーションを上げてくれるのだ。
DMM WEB CAMPは特にこの学習仲間同士の切磋琢磨と仲間意識が強いと定評がある。
それじゃどのスクールがおすすめ?
プログラミングスクールは何も地雷スクールばかりではなく受講生のキャリアを考えている良心的なプログラミングスクールもある。
以下の3つのスクールがおすすめだ。
DMMWebCamp | RUNTEQ | プログラマカレッジ | |
---|---|---|---|
料金 | 62万8000円 | 39万8000円 | 無料 |
期間 | 3か月 | 5~9か月 | 3か月 |
働きながら受講 | △ | 〇 | 〇 |
学習時間 | 480~600時間 | 900時間 | 420時間 |
言語 | Ruby | Ruby | Java |
就職先 | 〇 | ◎ | △ |
年齢 | 30歳以下 | 制限なし | 30歳以下 |
教室 | 東京・大阪 | オンライン | オンライン |
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