圧倒的売り手市場
ITエンジニアは数年の実務経験を積んでフリーランスに転向すれば年収1000万円も視野に入ってくる稀有な職種です。
参考までにフリーランスエンジニア向け案件紹介サイトのレバテックフリーランスで案件を確認してみましょう。
Rubyの案件の平均単価は79万円です。年収換算すれば約950万円となります。これが平均です。
このご時世、医者や会計士、税理士の難関職、外資や総合商社勤務でなければ年収1000万円を超えるのは難しいです。
一方でITエンジニアは資格も不要で経験と実績があれば高年収を目指せます。
これは何もITエンジニアの能力が高いわけではないです。単純に需要と供給の問題でして、需要が圧倒的に多いのに供給が少ないのです。
人材不足は労働市場の動向にも顕著に表れていて、人材会社のDodaが発表した求人倍率だとIT・通信部門(つまりエンジニア)の求人倍率はなんと5.22倍です。
現在、多くの企業が自社の事業の中核にデジタルを据えるデジタルトランスフォーメーション(DX)を図ろうと邁進しています。
トヨタなどの製造メーカーですらソフトバンクやプリファードネットワークスなどのIT企業と組んだり自社でITエンジニアを雇用し事業の中核にITを据えようと動いています。
今後、全産業でITエンジニアが求められることになるでしょう。有望な職業であることは間違いありません。
ただ、ITエンジニアと一言で言ってもシステムエンジニア、Webエンジニア、インフラエンジニアなど様々な職種があります。
それぞれの仕事内容は共通している部分もありますが異なる点もあります。
ITエンジニアを目指す際にその職種が理想の働き方に合っているか、将来性があるのか、検討に検討を重ねましょう。
本稿ではITエンジニアの種類ごとの特徴、年収、未経験からなる方法について解説します。
著者の経歴
新卒で保険営業マンとして就職しました。実体の伴わない仕事内容に違和感を覚え25歳の時にプログラミングスクールを受講してプログラミングを習得。スクール卒業後は都内のベンチャー企業にエンジニアとして就職し、その後フリーランスエンジニアに転身しました。
そもそもITエンジニアとは?その定義を知る
”ITエンジニア”とは情報技術に関連した専門的な知識・スキルを持った人材を指します。
ITエンジニアは経験を積めば積むほど、スキルを習得すればするほど活躍の場が広がりそれに伴い年収が上がっていきやすい「手に職がつく職業」です。
近年では将来性を考えて販売業や営業からITエンジニアに転職する人も増えています。3~6か月プログラミングを学習すればITエンジニアに転職は可能です。
エンジニアとして数年経験を積んでフリーランスエンジニアに転向すれ年収1000万円近く稼ぐことも十分に可能です。
またリモートワークを歓迎している企業も多く、自由な働き方も選択できるのがITエンジニアになる大きなメリットです。
ITエンジニアの種類は大きく分けて4つ
ITエンジニアと一口にいっても担当する仕事内容は多種多様で習得すべきスキルや知識も異なります。
ITエンジニアは大きく分けて以下の4つに分類できます。
①システムエンジニア(SE)
②プログラマー
③Webエンジニア
④インフラエンジニア
①システムエンジニア(SE)
システムエンジニア(SE)の主な仕事は顧客へヒアリングをして要望に沿ったシステムを設計することです。
企業によっては顧客とのコミュニケーションが業務の中心となることもあり文系出身のシステムエンジニアも活躍しています。
システムと言うとたいそうな響きがしますが金融機関や公的機関のITシステムのみならず小規模なスマホアプリ、Webサービス、まで幅広いです。
システムエンジニアの具体的な仕事をイメージするにはシステム開発のフローを知ると良いです。以下を参照ください。
①要求分析・要件定義
顧客へヒアリングしてシステムの内容を決定
②基本設計
システムの機能など概要を決定
③詳細設計
機能をどの様な技術、仕組みで実現するか設計し設計書を作成
④プログラミング
プログラマーがシステムエンジニアの作成した設計書をもとにプログラミングでシステム開発
⑤テスト
納入前にシステムの動作テスト
なおシステムエンジニアはプログラマーと連携して働くことが多いです。
システムエンジニアの平均年収
システムエンジニアの平均年収は550.8万円でITエンジニアの中だと高い部類に入ります。
これは要求分析・要件定義に高度な課題解決能力が求められるからです。
システムエンジニアは顧客にヒアリングを行い、顧客が抱える課題を特定しその解決策としてITシステムを設計します。
技術的な知識のみならずコミュニケーション能力、顧客の抱える課題発見&解決能力が求められます。
全体 | 550.8万円 |
20代前半 | 339.7万円 |
20代後半 | 444.1万円 |
30代前半 | 519.1万円 |
30代後半 | 539.7万円 |
40代後半 | 605.5万円 |
50代 | 632.3万円 |
②プログラマー
プログラマーの仕事はシステムエンジニアが作成したシステムの設計書に基づいてプログラミング言語を使ってソフトウェアやシステムを開発することです。
以下のシステム開発のフローの④プログラミングを担当します。
システム開発のフロー
こちらをクリックして設定変更。この入力は公開ページで反映されません。
①要求分析・要件定義
顧客へヒアリングしてシステムの内容を決定
②基本設計
システムの機能など概要を決定
③詳細設計
機能をどの様な技術、仕組みで実現するか設計し設計書を作成
④プログラミング※プログラマーが担当
プログラマーがシステムエンジニアの作成した設計書をもとにプログラミングでシステム開発
⑤テスト
納入前にシステムの動作テスト
システムエンジニアから渡された設計書通りにプログラミングしてもバグが起きてシステムがうまく動かないことは実は結構起きます
(※説明すると長くなりますがシステムエンジニアは必ずしもプログラミングできる人ばかりではないからです)
設計書の間違いやミスを発見して修正することもプログラマーの大事な役割です。
プログラマーの平均年収
プログラマーの平均年収は414.6万円でITエンジニアの中でシステムエンジニアより低いことが多いです。
システムエンジニアのほうが上流工程(顧客へのヒアリングやシステム設計)であり、その分責任も重いからです。
工事現場でイメージすると分かりやすいです。
工事現場を取り仕切る親方がシステムエンジニアで身体を動かして工事作業をしているスタッフがプログラマーです。
プログラマーとして数年経験を積んでからシステムエンジニアにキャリアアップするのが一般的です。
全体 | 414.6万円 |
20代前半 | 305.9万円 |
20代後半 | 389.0万円 |
30代前半 | 422.5万円 |
30代後半 | 455.4万円 |
40代後半 | 515.9万円 |
50代 | 540 .3万円 |
③Webエンジニア
WebエンジニアはWebアプリの設計・開発・運用・保守をします。
Webアプリとはブラウザ(ChromeやInternet Explorerなど)から利用できるアプリケーションのことを指します。
Webアプリの例ですがTwitterやメルカリ、Tinderなどが挙げられますね。
動きのないWebサイトとは違ってWebアプリはユーザの操作に反応するインタラクティブ性があります(リコメンデーション機能や在庫数表示etc…)
たとえば以下の「靴のシェアリングサービス」はログイン機能、会員登録機能、検索機能、レビュー機能などインタラクティブな機能が充実したオリジナルWebアプリです。
特筆したい点ですがWebエンジニアは開発が基本的にWeb上で完結するだけあってリモートワークなど自由な働き方が許容されやすい職種です。
自由な働き方を志向する人にはWebエンジニアがおすすめですね。
Webエンジニアの平均年収
大手求人サイトのFindJob!の調査によるとWebエンジニアの平均年収は約450万円と判明しています。
複数の求人サイトの年収分布データを確認すると約4割が年収400~500万円という分布でした。
エンジニアの中では平均的な年収となっています。
フリーランスエンジニアに転身するとアップサイドで年収1000万円狙える職業でもあります。
④インフラエンジニア
インフラエンジニアとはITシステムを運用するための土台となるサーバーやネットワークなどの「ITインフラ」を設計・構築・運用するエンジニアのことです。
私たちが普段利用しているWebサービスやITシステムが安定的に提供されているのはこの「インフラ」がしっかり構築されているからです。
たとえばフリマアプリのメルカリが頻繁に落ちることなく安定して動作するのもこの「インフラ」が強固だからです。
このインフラなくしてはWebサービスはもちろんのこと鉄道、ATMなど世の中のどのサービスも成り立たないくらいに重要です。
インフラエンジニアはプログラマーやWebエンジニアの様にプログラミング言語を使ってプログラムを書く作業はほとんどありません。
以下の仕事を担います。
①設計:クライアントの要望をヒアリングしITインフラの全体像を設計
②構築:設計書をもとに機器やソフトウェアを調達し接続してITインフラを構築
③運用:正常にITインフラが稼働してるか監視・保守を行う※新入社員が担当することが多い。
インフラエンジニアの平均年収
大手求人サイトDODAの職種別平均収入ランニングによるとインフラエンジニアの平均年収は462万円と判明しています。
Webエンジニアの年収450万円、プログラマーの年収414.6万よりも高いですがシステムエンジニアの年収550.8万より低いです。
全体 | 462万円 |
20代 | 379万円 |
30代 | 527万円 |
40代 | 607万円 |
50代 | 664万円 |
ITエンジニアで年収1000万円は可能?インフラエンジニアも狙い目
ITエンジニアで年収1000万円目指すのは十分に可能です。
とりわけフリーランスに転身すれば一気に収入がアップします。
実際に筆者の友人・知人で年収1000万円以下のフリーランスエンジニアはいませんしね。
大手フリーランスエージェントのレバテックフリーランスに登録しているフリーランスエンジニアの平均年収は862万円です。
最近だとAWSを扱えるインフラエンジニアで稼いでいる人が増えていますね。
自社サーバーからAWSに移行する企業が急増しておりそれに伴いAWSを扱えるエンジニアを求める企業も増えています。
しかしAWSを扱えるエンジニアが少ないので需給バランスが需要に偏って売り手市場で給与も高くなっているのです。
未経験からITエンジニアになる方法
ITエンジニアになるには以下2つの方法があります。
1.独学
2.スクールを利用する
独学は挫折しやすい
書籍やオンライン教材でプログラミングの学習は可能です。
しかしながら「何をどの様に勉強すれば」ITエンジニアになれるのか道筋が見えないがゆえに独学は挫折しやすいです。
ITエンジニアを目指すならスクール一択でしょう。
スクールが圧倒的におすすめ
ITエンジニアになるならスクール一択です。
現役エンジニア講師が学習計画を策定してくれ進捗管理もしてくれるので「何をどの様に勉強すれば」ITエンジニアになれるのか道筋が見えます。学習に挫折しません。
ITエンジニアへの転職成功率は独学よりもスクールを利用した方が圧倒的に高まります。
強制的に学習できる環境を構築する意味でもスクールを利用しましょう。
インフラエンジニアとWebエンジニア・プログラマーだと学習内容はかなり異なるのでそれぞれに適したスクールを選ぶことをおすすめします。