なぜITスキルが必要なのか?
別に必要なくとも生きていけます。現段階では。
そう”現段階”ではです。
ITスキルなんて特に使う機会ないし、要らないでしょ。会社でも勉強してる人なんていないし。
そうやって先延ばしにし続けているといつの間にかオワコンな”ゆでガエル”のような状態になってしまう可能性は極めて高いです。
ITスキルは今後のビジネスシーンにおいて優位なポジションを取ろうと思うと必須のスキルとなことは間違いないです。
1990年代に一世を風靡したWebブラウザ「Mosaic」を開発したネットスケープ社代表Marc Lowell Andreessen氏が2011年に「Why Software Is Eating The World(なぜソフトウェアが世界を飲み込むのか)」という論文をウォールストリートジャーナルで発表しました。
記事の内容は家電業界は当然ながらエンタテイメントから不動産、農業などすべての業界がソフトウェア企業化するというもの。
企業はソフトウェア(IT)抜きだと競争力を失うという予言を展開したためビジネスパーソンらを震撼させたのです。
時が経った今、リーセン氏の予言は的中したと分かりますね。
ありとあらゆる業界でソフトウェア化が進行しています。
・DVDレンタルのTSUTAYAは衰退し続けオンデマンドで映画見放題のNetflixが圧倒的地位を築く
・海外ではタクシー業界がUberによって駆逐されている
・眼鏡チェーンはオンラインの眼鏡のECサイトWarby Parkerによってシェアをごっそり奪われた
ソフトウェアを軸に競争力のあるIT企業が無双しはじめている状態です。
そんなソフトウェア化が進行する中で企業が喉から手が出るほど欲しがっているのがIT人材です。
平成28年経済産業省が発表した調査によれば2019年時点でIT人材は26万人も不足しています。
2030年はさらに不足状態が深刻化すると予測されています。
なんと高位シナリオ(つまり悲観的予測)で79万人、中位シナリオで59万人、低位シナリオで41万人 ものIT人材の不足が見込まれているのです。
企業的には困る状態ですがITスキルを習得した引っ張りだことなった労働者からすれば間違いなく給与も上がるし、待遇の交渉もしやすくなり転職も容易で大チャンス。
ここで言うIT人材というのはプログラマーのことだけを指すわけではないです。ソフトウェアを活用し事業を構築できる人材のことを指します。
習得すべきITスキルは大きく分けて3領域(ビジネス、テクノロジー、デザイン)
それではこのIT人材になるには具体的にどのようなスキルが必要なのでしょうか。
この点を解説していきましょう。
今後求められるIT人材はデザイン・イノベーション・ファームTakramの田川欣哉氏が執筆した名著「イノベーション・スキルセット~世界が求めるBTC型人材とその手引き」で提唱されているBTC型人材が詳しいです。
BTC人材とは以下の3つの領域を横断しプロダクトやサービスを作れる人材のこと。
B…ビジネス
T…テクノロジー
C…デザイン含むクリエイティブ
もちろん1人ですべてを担う必要はないですが3つの領域に横断的な知見がある人材は重宝されることは間違いないでしょう。
たとえば、マーケティングや企画の経験豊富でプロダクトデザインから開発まで1通りの知識があると強いです。
つまりBのビジネスに軸を置きつつもT(テクノロジー)とC(デザインやクリエイティブ)にも知見がある、そうした人材は企業にとって喉から手が出るほど欲しい存在です。
このBTC人材が引っ張りだこな背景にはインターネットが及ぼすビジネスモデルの変化があります。
現在、主流になってきているビジネスモデルは一回売り切りのパッケージ型ではなくサブスクリプション型。
NetflixやAmazonプライムなどを例に挙げるまでもなく車や物理的なものすらもサブスクリプションへと移行。この傾向はさらに様々な領域に波及していくことは間違いないでしょう。
サブスクリプションにおいて最も重要なのはプロダクトが”使いやすいかどうか”です。使いにくいとすぐに別のサービスに乗り換えられてしまいますので。
使いやすいプロダクト作りに欠かせないのがBTC領域を統合できる能力ですね。
つまりビジネス、テクノロジー、クリエイティブ(デザイン)を領域横断できる知見です。
BTC領域の知見を網羅し。使いやすいプロダクトやサービスの開発を主導できる人材は最強となります。
BTC(ビジネス、テクノロジー、クリエイティブ)を身に着ける現実的方法
以下の3つのスキルを習得していきます。
・ビジネス → マーケティングを学ぶ
・テクノロジー → プログラミングを学ぶ
・クリエイティブ → デザインを学ぶ
これらの3領域の知見をすべて獲得するのは容易ではないし一生学び続けることが求められます。
ただ学べば学ぶほど労働市場で無双状態になることは確か。転職も容易で収入もアップしていくでしょう。独立することさえ可能となります。
まずは自らが興味を持っている領域から深堀りしていくことをおススメします。すでに習得している領域があるのであれば別の領域にも手を伸ばしていきましょう。
たとえばマーケティング職ですでにビジネスに一定の知見があるのであればテクノロジー領域に理解を深めるためにもプログラミングを学んでいくと良いでしょう。
ビジネス → マーケティングを学ぶ
マーケティングを学ぶには本業でWebマーケティングや商品企画などユーザーに近い仕事に従事し経験を積むのがオススメです。
「ユーザー体験が優れているプロダクトとは?使いやすいプロダクトとは?」プロダクトの改善のためにPDCAサイクルを回す機会が多くマーケティング思考が身に付きやすいです。
また企業がWebマーケティングに費やす予算額はテレビCMのそれを上回っており、現在特に企業から需要が増大しているスキルです。
Webマーケティング領域の職種への転職で年収アップの可能性も十分にあるでしょう。
Webマーケティングを本業にするのが難しい人はマーケティングスクールで現役マーケターのプロから教えてもらうのも手です。より効率的に学べ学習に挫折しづらいです。
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テクノロジー → プログラミングを学ぶ
サービスやプロダクトの中身を制御するのがプログラミングです。
ITエンジニアにならずともプログラミングによってどのようにサービス、プロダクトを作れるか最低限抑えておく必要があるでしょう。
今後、ビジネス職においてもITエンジニアとコミュニケーションをする機会は間違いないく増えプログラミング知識は必須となります。
ただしプログラミングはWebデザインやマーケティングよりも学習のハードルが高いので3か月~半年ほどスクールに行ってガッツリと学ぶのをおススメします。
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クリエイティブ → デザインを学ぶ
ユーザー観察を通してプロトタイプの考案・制作までWebデザインにはクリエイティブに必要なすべてのエッセンスが詰まっています。
デザインセンスは実践を通してでしか身につかないです。
「このデザインは良い」
「このデザインは微妙」
「このデザインはダサい」
大量にデザインをインプットしながらジャッジし、デザインセンスを身に着けていくほかないです。
Webデザインではプロダクトをネット上で他人に公開してフィードバックをもらえる機会も多いです。その分デザインセンスを磨いていけます。
Webデザインも最初はWebサイトを制作する最低限の知識が必要。スクールで学ぶのがおすすめですね。
茹でガエルになる前に
ITスキルなんて特に使う機会ない
そう思っている人はかなり多いと思います。
ITスキルを身につけないと自分がオワコン化すると思って今からITスキル習得に動ける人は一部でしょう。
この世の中はアンテナ高く時代の変化を機敏に掴んでピンチをチャンスに変えた人が優位に立つようにできているのは自明のことですよね。
BTC人材のような希少なスキルを持っていると優位に人生を切り開ける時代が目の前にいます。
ゆでガエルになるのではなくITスキル習得に向けて何らかの行動をとって自由度の高い人生を獲得しましょう!