ノースキルの転職はキツいです。しかし希望もあります。
筆者はこれまで求人広告ライター、Webディレクターとして採用コンテンツを作成するなど企業の採用支援に密に携わってきました。
30歳を超えてからは自身でも転職エージェントを使って「企業から自分はどう評価されるだろうか」と度々その反応を確かめています。
ヘッドハンターとも話しましたが明らかに20代の時とは異なるスキルが見られています。
20代はポテンシャルや伸びしろが見られていると感じましたが30代に突入すると「成果を再現性高く自社でも出せるかが」が見られているなと。
自分はそんなスキルないよ…
そんな人もいるかもしれません。
朗報です。
転職活動時点で実務レベルのスキルはなくても良いです。特にIT業界はこの傾向が顕著です。
「学びを自律的に継続できる」ことを企業に対して示せればよいです。
現時点で実務レベルのスキルがなくても入社後に習得してもらえば良いと思っている企業も多いのです。
「学びを自律的に継続できる」ことを示すには逆説的ですが自分が志望する業界で求められるスキルを一定レベル習得しておくことが重要です。
現時点で手を動かして学習していること自体が「学びを自律的に継続できるかど」ことを示す最大の証拠になります。
ここにこそ未経験ノースキルの勝ち筋があります。
何も1、2年専門学校に行って学習する必要はありません。しかし、転職に際して最低100時間ほどはその職種で求められるスキル・知識を学習しておきましょう。
未経験ノースキルが転職しやすい仕事とその仕事に転職する方法を解説します。
当メディア『ノースキルの逆襲』ライター(森田)
『ノースキルの逆襲』専属ライターの森田です。大学卒業後、派遣の携帯販売員でキャリアをスタート。その後、求人広告ライター、Webディレクターを経て現在は企業のWeb集客の助っ人や自身で複数のサイトを運営して生計を立ててます。
講談社の現代ビジネスでもペンネーム若旦那で連載中です(以下リンク)
(https://gendai.ismedia.jp/list/author/wakadannna)
未経験ノースキルが転職できる仕事3選
未経験ノースキルが転職できる仕事は以下3つです。
1位:ITエンジニア
2位:Webマーケター
3位:Webライター
前提:未経験ノースキルならIT業界を目指そう
前提ですが未経験ノースキルな人にはIT業界がおすすめです。
その最大の理由はIT業界は圧倒的な人材不足だからです。ノースキルな人でも入っていけるチャンスがあるのです。
経済産業省の発表では2030年までにIT人材は最大で78.9万人が不足すると予測されています。
この人材不足がノースキルにとって大チャンス。
私はITエンジニア、WebマーケターなどIT職種の採用支援もしています。
それで体感しているのが、すでに実務経験のあるIT人材はいくら広告を打っても採用するのが本当に難しいです。
資本力のある企業は莫大な広告費を使って求人広告を打ったりリファレル採用を駆使したり、ありとあらゆる手段で実務経験のあるIT人材を採用しています。
しかし資本力のない中小企業は同じことはできません。そこで白羽の矢が立っているのが未経験者ですね。
未経験でもポテンシャルや伸びしろを見込まれれば採用してもらえます。
その仕事に対する知識が何もない状態だとさすがに採用されませんがスクールや独学で一定のスキル・知識をつけた状態で転職活動をすると採用される可能性は高いです。
1位:ITエンジニア
最もおすすめなのがITエンジニアです。
ITエンジニアはプログラミングスキルはじめシステム開発やWebサービス開発に必要な技術・知識が求められる仕事です。
しかしながら入社時に求められるスキルレベルはさほど高くないです。
というのもITエンジニアは圧倒的な人材不足です。
人材会社のDodaが発表した求人倍率だとIT・通信部門の求人倍率はなんと5.22倍です。
つまりエンジニア1人に対して5社以上が求人をオファーしている状態です。
実務経験のあるエンジニアの採用は困難を極めています。ゆえに実務未経験でも一定レベルのプログラミングスキルがあれば採用する企業は増えています。
最低でも1か月で100時間ほどプログラミング学習をしてTwitterのクローンアプリを開発できる状態になっておくと採用される可能性はありますね。
より有利に転職活動を進めるにはオリジナルWebアプリを開発できるレベルのプログラミングスキルを持っておくことをおススメします。
そのスキルレベルになると採用してくれる企業が増え、こちらが企業を選べるようになるからです。
でもプログラミングって難しいんじゃないの?数学がすっごい苦手で習得できる自信ない…
プログラミングに数学は全く必要ないです。数学不要です。
論理的思考能力があればOKです。
目安としては「高校の現代文で50点以上」だった人なら問題なくプログラミングを習得できます。現代文は論理的思考能力が求められる科目ですからね。
コツコツ勉強できる人であればプログラミングは普通に習得可能です。
実際、転職向けプログラミングスクールDMM WEBCAMPの受講生の20%は高卒の人ですからね。受講生はほぼ全員エンジニア転職できています。
ITエンジニアの何がおすすめかというと大きく分けて2つあります。
1つ目が手堅く高年収を狙えること、2つ目が汎用性の高いスキルを習得できること。
エンジニア転職した直後は年収300~400万円ほど。最初の1年は育成期間であり企業からすると負債なんですよね。だから収入はさほど高くないです。
しかしそこから経験を積めば戦力になるので年収も上がっていきます。管理職についてマネジメントスキルをつければ年収800万円以上は手堅く狙えます。
もっと早めに高収入を狙いたいなら2年ほど実務経験を積んでフリーランスエンジニアになるのもありですね。年収1000万円前後の収入を狙えます。
これ言っておきますが誇張ではないです。
参考までにフリーランスエンジニア向け案件紹介サイトのレバテックフリーランスで案件を確認してみましょう。
Rubyの案件の平均単価は79万円です。年収換算すれば約950万円となります。これが平均です。
ITエンジニアになるもう1つのメリットは汎用性の高いスキルがつくことです。
ITエンジニアとして習得できるITへの深い理解、さらに業務を通して身に着く論理的思考能力や抽象化能力、問題解決能力はどの業界においても役立つ汎用性の高い能力です。
しっかり経験を積んだITエンジニアであれば仕事に困ることはないです。ITエンジニアから別職種のコンサルタントやプロジェクトマネージャー、マーケターへの転向も簡単ですしね。
現在は転職に特化したプログラミングスクールも数多く出てきているので活用するのがおすすめです。
おすすめスクールは以下を参考にしてください。
以下は実際にエンジニア転職した人への取材記事です。
2位:Webマーケター
企業がWebマーケティングに費やす予算額はテレビCMを上回りました。
それに伴い、Webマーケターへのニーズが急増しています。
Webマーケターとは簡単に言うと「インターネット上での商品・サービスへの認知度を高め購買数を増加させる仕事」です。
具体的には以下の2つの施策を担当することが多いですね。
・SEO(検索エンジン最適化)
・インターネット広告(リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告)
SEOは良質な記事(コンテンツ)を作り、GoogleやYahooなど検索エンジンで上位表示することで集客する手法です。
インターネット広告はお金を払ってGoogleやYahooなどの検索結果の有料広告枠に表示する広告のことです。
WebマーケターはITエンジニアと比較すると学習すべき内容は少なめ。あとプログラミングは難しいものではないですが向き不向きは間違いなくあります。
プログラミングを一定期間学習したけどどうしてもコードを書くのが苦痛、向いていなかったという人にはWebマーケターがおすすめですね。
Webマーケターは実際に広告ツールを運用したり、データを分析して打ち手を考えたり、Webサイトを運営する中でスキルを高めていける職種です。
ただWebマーケターへの転職ではWebマーケティングに知識のない完全初心者は採用されません。最低限の知識は必須です。
現在、マケキャンの様な転職特化型のWebマーケティングスクールも出ているので利用すると良いでしょう。
マケキャンでは計3か月のカリキュラムでWebマーケティングの基礎知識、実際にマーケティングプランをクライアントに提案するところまで実践できます。
マケキャンはDMMが運営しているスクールなのでDMMのコネ求人も多数。Webマーケターになりたい人におすすめのスクールです。
3位:Webライター
Webライターはとりあえず圧倒的に仕事が多いです。最大のメリットはこれですね。そして基本的にスキル不要です。
しかしながらスキル不要ゆえに競争相手もかなり多いですので、買い叩かれる可能性は極めて高いです。
なぜそれでもおすすめするかというとWebライターから別の職種へと移行するのが比較的簡単だからです。
実は筆者自身、Webライターからキャリアを始めています。Webライターで案件を獲得してそこから求人広告ライターとして仕事をはじめ、プログラミングを習得して簡単なWebサイト制作をできるようになってWebディレクターになりました。
Webライターはこういったキャリア展開のしやすさがあるのでそこそこおすすめの仕事です。
しかしながら前述した様にスキル不要で参入障壁が低く競争相手が多いので収入も増えづらいです。
私自身もWebライターとして大手メディアで書いたり月50万円以上稼いでいました。
しかし大量の案件を受注しないと収入を維持できません。疲弊するんですよね。なので最終的にはプログラミングを学んでWebサイト制作できるようになった状態でWebディレクターに転身しました。
ITエンジニアやWebマーケター(Webディレクター)は一定のスキルが必要でそれが参入障壁となって競争相手が少ないです。それゆえに高収入。そしてWebライターよりも疲弊しにくいです。
とりあえず手っ取り早く稼ぎたい、今この瞬間をしのがないとヤバいという人にはWebライターは良いかもしれません。しかし長期で考えるとあまりおすすめはできないですね。
未経験ノースキルが転職を成功に導くポイントはこれ
ノースキルで転職する人が忘れてはならないのが競争相手には実務経験がありスキルありの求職者も沢山いることです。
企業からするとスキルありの人を採用したいのが普通です。しかしそこを覆していく必要があるわけです。
その手法は以下の2つですね。
①専門スキル以外の部分で勝負する
②原体験を掘り起こす
①専門スキル以外の部分で勝負する
転職するにせよ専門スキルは一定レベル必要です。しかし仕事は専門スキルだけで成り立っているわけではないです。
段取りを立てたり、顧客と上手く交渉したり、専門スキル以外のスキル(働き方、考え方)も重要です。
その専門スキル以外のスキルのことをここではポータブルスキルと呼びましょう。
自分ではノースキルだと考えている人でも有用なポータブルスキルを持っているケースは多いです。
以下の一般社団法人人材サービス産業協議会のポータブルスキルという概念が有用です。
このポータブルスキルとはそのままポータブル(持ち運びできる)な社外でも使えるスキルのことを指します。
このポータブルスキルを専門スキル以上に重視している企業も結構多いんですよね。
転職活動でガンガンこのポータブルスキルを打ち出していきましょう。
コールセンターからWebマーケターに転職したAさん(32歳)のケース
コールセンターでは顧客のクレームを含めてかなり密に顧客の声を聴くことになります。
Aさんは毎回の電話でお客様の疑問や不満点を解消してもらえるように常にソリューションを提供するように試行錯誤していました。
これは「顧客の疑問や不満を解消し購買につなげる」マーケティングに共通する仕事のし方です。
コールセンターで培った仕事のし方、人との関わり方が評価されてマーケターとして採用されることとなったのです。
②原体験を掘り起こす
未経験ノースキル転職において企業から注意深く見られるのが「なぜ転職することを決意したのか」の動機の部分です。
「手に職をつけたい」とか「収入を安定させたい」とかだと動機として少し弱いですね。
動機が弱いと「すぐ辞めそう」と判断されやすく採用されづらいのです。
そこで原体験を打ち出していく戦略を取るのがベターです。以下の様な感じですね。
「飲食で働いていて非効率な業務・体制が生産性を下げている現場を見てきました。○○の様なITシステムを開発しその非効率な体制を△△みたいな方向に改善できれば良いだろうと思ったのをきっかけにプログラミング学習を開始し、エンジニアを目指すことになりました。」
原体験がない人は作り出しましょう笑 ただし嘘はバレますのでご注意を。
結びに代えて:未経験ノースキルこそ転職エージェントを使い倒そう
未経験ノースキルの人ほど転職エージェントを使い倒しましょう。
転職エージェントでは担当者がついてヒアリングをしてくれて「売り」ポイントを言語化してくれます。
担当エージェントにヒアリングしてもらうことで「自分は大したことないと思っていた能力が実は多くの企業が求めている能力」だと認識できることもあります。
転職エージェントは無料なのでヒアリングしてもらうだけでも十分に利用価値はあるかなと。
おすすめエージェントは以下です。担当者が親身になって相談に乗ってくれます。
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