最終結論
本記事でプログラマー、インフラエンジニアのどちらに転職すべきかの議論に決着をつけます。
プログラマーとインフラエンジニア、転職するならどっちが良いですか?
筆者がエンジニア就職希望の人の就職相談に乗っているとよく質問されます。
まずプログラマーもインフラエンジニアもどちらも将来性抜群です。
ただしプログラマーとインフラエンジニアだと求められる能力に違いがある、つまり適性が相当に異なります。
自分に合っている方を選ぶのが重要です。
以下の様なパターンが比較的多いことは先にお伝えしておきますね。
Webプログラマーになりたいとプログラミング学習に取り組んだものの難しくて挫折。
ただIT業界で専門性の高い仕事に就きたかったので、他の職種はないかと探した末に見つけたのがインフラエンジニアだった。
筆者にはインフラエンジニアの友人が数名いますがみんな上記のパターンです。
就職難易度に関してですがインフラエンジニアよりもプログラマーの方が就職は難しいですね。
ただ働き方に関してはインフラエンジニアよりもプログラマー特にWebプログラマーの方が自由度が高いです。
本記事では以下の5項目でプログラマーとインフラエンジニアを比較していきます。
1.仕事内容
2.就職難易度
3.収入
4.働き方
5.将来性
プログラマー、インフラエンジニアそれぞれにメリット・デメリットがあることは確かです。事前に把握した上で就職活動に挑みましょう。本記事がその一助になれば幸いです。
編集部(須賀)より
編集部の須賀です。これまで20社以上のプログラミングスクールと受講生を取材してきました。各スクールの教材や講師についても授業を受講しチェックした上でおすすめスクールをこちらの記事「本当に力のつくおすすめプログラミングスクールまとめ」で掲載しています。
プログラマーとインフラエンジニアの違いとは?
プログラマーとインフラエンジニアの違いを以下の5つのポイントで比較していきますね。違いが明確になるでしょう。
1.仕事内容
2.就職難易度
3.収入
4.働き方
5.将来性
1.仕事内容
プログラマーとインフラエンジニアの仕事内容は大きく違います。
プログラマーの仕事内容
プログラマーはコンピューターに指示を出す「プログラミング言語」を使って様々なシステムやソフトウェアを開発する職種となります。
電子決済システム、勤怠管理システムなど企業が利用しているITシステムからメルカリやFacebookなどのWebサービス、さらにスマートフォン、エアコンなどを動かすプログラムもプログラマーによって開発されています。
プログラマーと一言で言っても領域によって呼び名が異なります。
①Webプログラマー
WebサイトやECサイト、SNSなどのWebシステムを開発
②アプリケーションプログラマー
パソコンやスマートフォンにインスト―ルするアプリケーション、業務効率化のための業務系アプリケーションを開発
③ゲームプログラマー
ゲームの開発
④組み込み系システムプログラマー
エアコンなど電子機器を制御するプログラムを開発
現在、人気のWebエンジニアとWebプログラマーは同義で使われることが多いです。
インフラエンジニアの仕事内容
インフラエンジニアとはWebサービスやITシステムを運用するうえで土台となるサーバーやネットワークなどの「ITインフラ」を設計・構築・運用するエンジニアのことです。
インフラエンジニアはプログラマーの様にプログラミング言語を使ってプログラムを書く作業はほとんどありません。
私たちが普段利用しているWebサービスやITシステムが安定的に提供されているのはこの「インフラ」がしっかり構築されているからです。
たとえばフリマアプリのメルカリが頻繁に落ちることなく安定して動作するのもこの「インフラ」が強固だからです。
このインフラなくしてはWebサービスはもちろんのこと鉄道、ATMなど世の中のどのサービスも成り立たないくらいに重要です。
インフラエンジニアの仕事内容としては以下の3フェーズに分かれます。
①設計:クライアントの要望をヒアリングしITインフラの全体像を設計
②構築:設計書をもとに機器やソフトウェアを調達し接続してITインフラを構築
③運用:正常にITインフラが稼働してるか監視・保守を行う※新入社員が担当することが多い。
インフラエンジニアに転職したての頃はITインフラが正常に動いているか見張る監視業務を担当するケースが多いです。
監視業務は3勤交替のシフト制になっている場合が多いので夜勤が入ることもあります。
夜勤が絶対嫌な人はインフラエンジニアになるのは考え直した方がいいかもしれませんね。
ただしずっと夜勤をし続けるわけではないです。新入りの1年目だけ監視・保守業務を任される企業も多いです。
経験を積み上流工程の設計・構築を担当できるようになると監視・保守業務からは外れます。
あと昨今ではクラウドに関する知識やスキルを持ったインフラエンジニアへの需要が増加している点も言及しておきたいですね。
これまで企業は社内にサーバー、ルーターやスイッチなどのネットワーク機器を設置する物理的なITインフラを構築していました。
しかし最近ではAWS(Amazon Web Services)の様なクラウドサービスを利用してインフラ構築するようになってきています。
ITインフラを構築するための機器の設置は不要となり機器の購入・管理コストはかかりません。
ゆえに企業はAWSをはじめとしたクラウドでのインフラ構築に移行しています。
クラウドに強いインフラエンジニアは引っ張りだこ状態です。
2.就職難易度
プログラマーもインフラエンジニアも両方とも人手不足です。
スクールなどで一定レベルのスキル・知識を身に着けてから就活に臨めば普通に採用してもらえます。就職はさほど難しくありません。
しかしどちらかというとプログラマーよりインフラエンジニアの方が就職しやすいです。
インフラエンジニアの転職・就職支援のスクールだと受講期間は大体1か月ほどが平均です。
一方、プログラマーの転職・就職支援のスクールだ受講期間は大体3~6か月ほどとなります。
就職という”入り口”だけを見ればインフラエンジニアの方が学ぶことは少なめで容易です(もちろんインフラエンジニアは就職してから現場で学ぶことが沢山ありますのでここは誤解してはなりません)
3.収入
プログラマーもインフラエンジニアも就職した初年度の年収は低めです。
年収は300万円前後が平均で、良くて400万円です。
しかしプログラマーもインフラエンジニアも共通して数年経験を積めば収入が右肩上がりに伸びていきます。
プログラマーの年収
プログラマーの中でも人気のあるWebプログラマーであれば数年の実務経験があれば社員として年収500万円、600万円は十分に狙えます。
さらにフリーランスに転身すると想像以上のアップサイドがあります。
フリーランスになると年収1000万円も射程圏内に入ってくるのです。実際に私の周りのフリーランスWebプログラマーで年収1000万円を下回っている人はいません。
参考までにフリーランスエンジニア向け案件紹介サイトのレバテックフリーランスで案件を確認してみましょう。
Web系言語のRubyの案件の平均単価は79万円です。年収換算すれば約950万円となります。これが平均です。
なぜWebプログラマーの収入が高いのか。
これは単純でWebサービスを開発したい企業が大量に存在する一方、Webサービスを開発できるプログラマーが少なく稀少だからです。需要と供給の関係ですね。
またまだWebプログラマーの供給が追いついていないので当面はこの高収入は続くことになるでしょう。
インフラエンジニアの収入
インフラエンジニアだと経験年数3~4年になると年収は400~500万円へと上昇していきます。さらに経験を積みベテランになると年収1000万円を超えてきます。
現在ニーズのあるAWSを扱った経験が2、3年あるインフラエンジニアであれば年収はよりアップしやすいです。
フリーランスだと月単価80万円、年収換算で1000万円も射程圏内に入るでしょう。
4.働き方
プログラマーとインフラエンジニアだと働き方には結構違いが出てきますね。
プログラマー、特にWebプログラマーの場合は私服、リモートワークやフレックスタイム制など自由度の高い働き方が許容されているケースが多いです。
一方でインフラエンジニアの場合はインフラ構築や保守運用のためにクライアント先に出向くことが多いですのでスーツ着用が求められたりリモートワークは不可なケースが多いです。
ただしインフラエンジニアの中でもAWSを扱うインフラエンジニアであればリモートワークで働けるケースもあります。AWSはクラウドなのでクライアント先に出向く必要がないからです。
>>AWSを学べるスクールおすすめ5選、クラウドに強いインフラエンジニアを目指せる
5.将来性
プログラマーもインフラエンジニアも将来性はどちらも十分にあるでしょう。
プログラマーの将来性
プログラマーの将来性を脅かす要因としてよく言及されるのが「プログラミングを自動化するツール」です。
今後、より高性能な自動化ツールが登場してプログラミングが不要になる可能性はあり得るでしょう。
しかし、それでもプログラマーそのものが不要になることはないです。
AIは自動化には強いです。しかし人間でなければ「人間にとっての課題を発見し課題を解決するソリューション」は考案できません。
AIをはじめとするITを活用し顧客の経営課題を特定しITソリューションを提案できる課題解決能力の高いプログラマーへの需要は一段と増すでしょう。
インフラエンジニアの将来性
インフラエンジニアはITシステムの根幹に関わっているITインフラを構築する職種です。
求められるスキルや知識は変わっていくでしょうがITインフラを構築する仕事が消滅することはこの先10年、20年スパンであれば考えられません。
プログラマーにせよインフラエンジニアにせよ将来性についてはそこまで不安がる必要はないでしょう。
プログラマーとインフラエンジニアのどちっちがおすすめ?
プログラマーかインフラエンジニアかどちらを選ぶべきか。
これは完全にその人の「好み」です。これ以外に回答しようがないです。
ただそれだと迷う人もいると思うので簡単な指針を示しますね。
プログラミング学習をしてプログラマーへの就職に挫折した人でもインフラエンジニアが向いている可能性は十分にあります。
何事も向き不向きはありますからね。
まずはプログラマーを目指すのもアリ
とりあえずプログラミング学習サイトでプログラミング学習してみて「プログラミングちょっと面白いかも」と感じたならプログラマー向きでしょうね。
「プログラミングつまんない」と感じた人ならインフラエンジニア向きかなと。
インフラエンジニアはプログラミングの様な複雑な思考は得意ではないもののコツコツとシステムを設計していく生真面目な人が向いてます。
なお、おすすめのプログラミング学習サイトは以下です。
説明会で仕事の具体的なイメージを膨らまそう
本記事を読んでも「プログラマーかインフラエンジニアのどちらを目指すべきか決めきれない」そんな人もいるでしょう。
一生の進路を決める重大な決断なので迷って当然です。
ただし、停止するのではなく少しずつ前進していきましょう。自分の足を動かして情報を収集していきましょう。
おすすめなのがスクールの説明会に参加してみて具体的に仕事のイメージを膨らませることです。
説明会では実際に現在進行形でインフラエンジニアやプログラマーとして働いていたり、勤務経験のある担当者が仕事内容やリアルな事情を説明してくれるケースも多いです。
プログラマーに関しては仕事内容をイメージできる人も多いかもしれませんがインフラエンジニアに関しては何をする仕事なのかイメージのない人も多いでしょう。
まずはどんな仕事なのかリアルにイメージできる状態になってからプログラマーかインフラエンジニアかどちらに転職すべきか検討を始めると良いでしょう。
以下の記事ではプログラマー、インフラエンジニアを目指せるおすすめスクールを紹介しています。参考にしてください。
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