手に職をつける意味を尋ねて三千里。
私はずっと「手に職をつけるって何なんだ?」と疑問に思っていたんですよね。
でも大人になって初めて手に職をつけることの意味が分かったんです。
「これが手に職をついた状態なのか!」と合点が行きました。
手に職がつくとは誠に簡単でした。本記事では手に職とつける本当の意味とメリットについて解説します。
筆者プロフィール
大学卒業後、派遣の携帯販売員でキャリアをスタート。その後、求人広告ライター、Webディレクターを経て現在は企業のWeb集客の助っ人や自身で複数のサイトを運営して生計を立ててます。
講談社の現代ビジネスでもペンネーム若旦那で連載中です(以下リンク)
(https://gendai.ismedia.jp/list/author/wakadannna)
Twitter:@Do9odyoxMHd4OHI
「手に職をつける」本当の意味
手に職とは「 職能または就業に有利となる資格や技能を持つこと」です。
うちの祖母がよく姉に向かってこう言ってたのを思い出します。
○○ちゃん、手に職をつけないと駄目よ。
この祖母の言葉は手に職があると妊娠や子育てなどで仕事から離れている期間があっても再就職しやすいことを経験的に知っていたからこそでしょうね。
手に職がつく仕事の具体例ですが看護師などはその典型です。
大学時代の私の後輩に看護師の女の子がいます。彼女は現在26歳で仕事は忙しそうですが将来不安はあまりなさそうです。
つい先日も話したのですが「ちょっと留学してみたいのよ」と余裕あり気に言ってました。
この余裕の裏にあるのは「いつでも転職できる」という自信でしょう。看護師は数年仕事から離れていても再就職は容易だそうです。とにかくどの病院も人が足りていないから。
自宅から自転車で10分以内の求人が希望条件という看護師も結構いる様です。それだけ仕事を選び放題というわけですね。
手に職があると「いつでも、どこでも働ける選択肢がたくさんある状態を実現しやすい」のです。
手に職がない状態だと仕事を選ぶことが難しく、再就職しようと思ってもできないです。
上司のパワハラが酷かったり職場環境が劣悪で辞めたくても、辞めれないストレスフルな状態に追い込まれやすいです。
一方で手に職があると辞めたい時に辞めれます。
手に職があると必ずしも幸福になるわけではもちろんないですが、不幸になるのを回避しやすいと言えるでしょう。
手に職をつけるメリット
手に職をつけるメリットは以下の3つですね。
メリット①自分に自信が持てる
メリット②経済的に安定しやすい
メリット③人生の自由度が増す
メリット①自分に自信が持てる
手に職をつけると自分に自信が持てるようになります。
何だかんだで私たちは仕事に1日8時間は費やしているわけで、それが人生に何の影響も与えていないはずがないのです。
「あなただからこの仕事をお願いしたんです」
「やっぱプロだね。すごい!あなたに任せてよかった」
手に職があると、こんな風に周りから言ってもらえることが増えます。そうなるとやっぱり自分に自信が持てるようになるのです。
そういった「俺しかできない仕事」が幸福につながる側面もあるでしょう。
あの有名な寿司屋の「すきやばし次郎」の店主・小野二郎さんを見てください。
お客さんから「うまい!絶品。さすが二郎さんの握った寿司だあ」と言われ続けてるわけで、それに幸福感を感じないわけがないのです。
たぶん二郎さんは一生寿司を握り続けるでしょう。
メリット②経済的に安定しやすい
手に職がつく仕事はノースキルの仕事よりも高収入を得やすい傾向があります。
たとえば手に職がつきにくい接客や事務職だとなかなか給料上がりませんよね。先日、ITスクールのUZUZカレッジの卒業生のSさんに取材しました。
前職の事務職の月収は15万円前後とのことでした。やはりノースキルの仕事は低収入になりやすいのが現実です。
一方で手に職をつけるとより高収入を狙えます。たとえばITエンジニアの場合、実務経験2、3年あれば月収40、50万円を超えるのは決して珍しいことではありません。
また手に職がついてると今の職場をクビになったり、何らかの事情で仕事をストップしなければならずブランクができても再就職するのは容易です。
>>UZUZカレッジ卒業生のSさんへの取材記事はこちら「UZUZ(ウズウズカレッジ)評判・口コミ、実際受講した感想」
メリット③人生の自由度が増す
手に職があると人生の自由度が増します。
たとえば私の例になりますが、私はWebディレクションやWeb集客の仕事をしています。
この仕事が良いのはどこでもできることですね。日本に住んでいなくてもどこの国からでも仕事ができます。手に職があると、特にIT領域で手に職があると人生の自由度は飛躍的に増しますね。
私の友人で台湾でITエンジニアをやっている友人もいます。
しかし、手に職をつける≒資格取得ではない
手に職をつけるとなった場合に資格取得が思い浮かびますよね。
ただ、資格取得と一口に言ってもその取得した資格が役立つ場合と役立たない場合があります。
税理士、弁護士、医師、公認会計士、建築士などは資格がないとそもそも仕事ができないので取得する意味はあるでしょう。
宅建や施工管理技士、簿記などだと取得しておくと転職において有利になります。
英語だと貿易業務が発生する企業であればTOEICが求められるケースもありますので役立つこともあるでしょう。
ただ上記以外の資格になるとあまり取る意味がない資格の方が多いですね。
たとえばですが、ライティングにも結構いろんな資格があります。
もちろん資格が全くの無駄とは言いません。資格取得をマイルストーンに勉強に励むのは良いことだと思います。
でも個人的な意見ですがある程度ライティング技術を学んだら、資格取得に費やすであろう時間と労力をそのまま「実際に案件を獲得する方向」に振り向けた方が間違いなくライティングスキルは伸びると考えています。
もっと言うとライティングを学ぶために資格を取得するのに何十万も多額のお金を費やすのはもったいかなと。
文章術の本を1冊だけ購入してライティング技術を勉強する。クラウドソーシングサイトでどんな案件でも良いから案件を獲得してみる。そうやって実際にアウトプットしながらライティングを磨いていく方がライティングスキルは伸びやすいです。
現に私は上記のライティング資格をどれも持っていませんでしたが、クラウドソーシングサイトで案件を請けて実地で学んでいきました。
最終的にライティングで1記事5万円の案件を請けれるようになりました(※今はライティングはやらずWebディレクションの業務が中心です)
ちなみにライティングを学ぶなら「取材・執筆・推敲 書く人の教科書」一冊で十分です。私は過去にライティング関連の本を30冊以上読んできましたがこの本は一番良いです。
ライティングに関わらず取得する意味があまりない資格は山ほどあります。
その資格を取得するのに確固たる目的があるのであれば良いと思いますが、何となく資格を取得することに意味はないかもしれませんね。
前提として手に職は戦いながら掴み取るものである
前述したことと少し被りますが、手に職は実際に働く中で身についていくものでしょう。
ある程度基礎を学んだらその後は実際に使いながら磨いていく中で身につくのです。資格取得しても本当の意味での手に職は身につきません。
たとえば先日、COACHTECHというプログラミングスクールを受講しプログラミングスキルを習得して副業で稼げるようになった中村龍優さんに取材しました(※なんと、中村さんつい先日エンジニアに転職されたそうです)
中村さんはCOACHTECHで学びながらある程度プログラミングスキルがついた段階で実際にWebアプリを開発する案件を請ける方向で動きました。
プログラミング初学者ながらもエンジニアのオンラインコミュニティに顔を出し、そこで知り合ったエンジニアに見込まれてアシスタントとして仕事をもらえるようになりました。
中村さんは実践的にWebアプリ開発をする中で急速にプログラミングスキルを身につけていったのです。そして最終的には今の仕事をやめてエンジニア転職することに。
>>COATCHTECH受講生の中江龍優さんへの取材記事はこちら
手に職がつくおすすめの仕事はこの3つ
手に職が就くおすすめの仕事は以下3つですね。
ITエンジニア:最もおすすめ。特にこつこつ積み上げていきたい人に向いてます。
Webマーケター:好奇心旺盛な人におすすめ。お客さんの購買心理を想像し探求できる人に向いています。
Webデザイナー:何か目に見えるものを作り上げていくのが好きな人におすすめ。
ITエンジニア:こつこつ学習できる人に向いている
私自身はWebマーケティングを生業として食ってます。すでに仕事が山の様にあるために転職は考えていません。
今からITエンジニアになろうとは思いません。しかし、また手に職のなかったころに戻るのであればITエンジニアを目指すことは間違いないです。
理由は3つあります。
1.手堅く高年収を狙えるから
2.無茶苦茶潰しのきく職種だから
3.なるのがそんなに難しくないから
1.手堅く高年収を狙えるから
ITエンジニアは圧倒的な人材不足です。
人材会社のDodaが発表した求人倍率だとIT・通信部門の求人倍率はなんと5.22倍です。
つまりエンジニア1人に対して5社以上が求人をオファーしている状態です。
エンジニアが全然足りていないのに、エンジニアを求める企業は大量に存在します。そうなると需要と供給の価格調整メカニズムによって必然的にエンジニアの報酬が上がります。
エンジニア転職した直後は年収300~400万円ほどでさほど高くありません。最初の1年は育成期間であり企業からすると負債なんですよね。だから収入はさほど高くないです。
しかしそこから経験を積めば戦力になるので年収も右肩上がりに上がっていきます。管理職につければ年収800万円以上は手堅く狙えます。
もっと早めに高収入を狙いたいなら2年ほど実務経験を積んでフリーランスエンジニアになるのもありですね。年収1000万円前後の収入を狙えます。
これ言っておきますが誇張ではないです。
参考までにフリーランスエンジニア向け案件紹介サイトのレバテックフリーランスで案件を確認してみましょう。
Rubyの案件の平均単価は79万円です。年収換算すれば約950万円となります。これが平均です。
2.無茶苦茶潰しのきく職種だから
ITエンジニアは無茶苦茶潰しのきく職種です。
ITエンジニアとして身につくスキル・知識は極めて広範です。ITシステムを開発するための技術的知識のみならず、サービス開発に企画から携わるとマーケティングもつきます。
現在、ITを活用することなしに企業活動は成り立たなくなっています。ITエンジニアとして身につくスキル・知識があれば文字通り企業から引っ張りだこ状態です。
また、ITエンジニアからWebマーケターになったりITコンサルに転職することも可能です。ITエンジニアとして得られるスキルや知識は別の職種でも使える極めて汎用性が高いものだからです。
3.なるのがそんなに難しくないから
プログラミングと聞けば何やら難しそうなイメージがあるかもしれませんが、実際仕事で使うプログラミングというのはそこまで難しいものではないです。
中学の数学ができる最低限の論理的思考能力があれば仕事に必要なプログラミングスキルは十分に習得可能です。
私の友人でニートからエンジニアになった友人もいます。果たして本当にエンジニアになれるのか?と思って見てたんですがちゃっかり半年以内にエンジニアに転職できていました。
現在は転職に特化したプログラミングスクールも数多く出てきているので活用するのがおすすめです。
こちらの記事「おすすめのプログラミングスクールまとめ」を参考にしてください。
実際にエンジニア転職した人への取材記事「エンジニア転職を成功させる方法」も参考にしていただければ。
Webマーケター:好奇心旺盛な人に向いている
もはや企業がWebマーケティングに費やす予算額はテレビCMを上回っています。それに伴い、Webマーケターへのニーズも急増しています。
Webマーケターとは簡単に言うと「インターネット上での商品・サービスへの認知度を高め購買数を増加させる仕事」です。
具体的には以下の2つの施策を担当することが多いです。
・SEO(検索エンジン最適化)
・インターネット広告(リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告)
SEOは良質な記事(コンテンツ)を作り、GoogleやYahooなど検索エンジンで上位表示することで集客する手法です。
インターネット広告はお金を払ってGoogleやYahooなどの検索結果の有料広告枠に表示する広告のことです。
WebマーケターはITエンジニアと比較すると学習すべき内容は少なめです。ただし適性は結構求められる思いますね。
特に重要だと思うのが好奇心が旺盛なことです。なぜかというとWebマーケターは顧客に商品やサービスを販売するための文章やコンテンツ制作に携わる機会が多いです。
顧客が商品・サービスを購入する際にはどんな感情で、どんな風に感情が揺さぶられると購入するのか好奇心、想像力がないと絶対にやっていけないんですね。
なのでWebマーケターは好奇心旺盛な人に特に向いている職種だと思います。
あとプログラミングを一定期間学習したけどどうしてもコードを書くのが苦痛、向いていなかったという人にもWebマーケターはおすすめですね。向き不向きありますからね。
ただ現在のWebマーケターへの転職状況ではWebマーケティングに知識が全くない完全初心者は採用されません。最低限の知識は必須です。
現在、マケキャンの様な転職特化型のWebマーケティングスクールも出ているので利用すると良いでしょう。
マケキャンでは計3か月のカリキュラムでWebマーケティングの基礎知識、実際にマーケティングプランをクライアントに提案するところまで実践できます。
マケキャンはDMMが運営しているスクールなのでDMMのコネ求人も多数。Webマーケターになりたい人におすすめのスクールです。
Webマーケティングを学べるおすすめのスクールはこちらの記事「おすすめのWebマーケティングスクールまとめ」を参考にしてください。
Webデザイナー:何か目に見えるものを作りたい人におすすめ
Webデザインは改めて説明しなくても分かると思いますが、Webサイトや広告バナーのデザインを担当する職種です。
具体的に求められるスキルは以下です。
- デザインの原則
- Photoshop/Illustrator
- HTML/CSS
- 最低限のJavaScript/jQueryの知識
デザインの原則
デザインの原則とは簡単に言うと
コントラスト・近接・反復・整列
のこと。デザインで情報を分かりやすく伝えるのに使える原則のことです。
Photoshop/Illustrator
デザインの原則を習得したうえでデザインツールのPhotoshop/Illustratorでデザイン案を作っていきます。
HTML/CSS
Photoshop/Illustratorで作ったデザイン案をWeb上に表示するにはプログラミング言語のHTML/CSSでコーディングする必要があります。
HTMLはWebページの骨格・構造を指定する言語でCSSはそのHTMLで作った要素を装飾する(文字を大きくしたり色を付ける)言語です。
最低限のJavaScript/jQueryの知識
JavaScript/jQueryはWebページに動きをつけるためのプログラミング言語です。たとえばボタンにカーソルを合わせるとボタンがグッと浮かび上がるような動きはJavaScript/jQueryの効果です。
JavaScript/jQueryに関してはWebデザイナーがゴリゴリできる必要はありませんが必要最低限知っておくと良いでしょう。
これらの知識・スキルが一通り揃えば「Webデザインをできる」と言って良いです。
おすすめのWebデザインスクールに関してはこちらの記事「おすすめのWebデザインスクールまとめ」を参考にしてください。
まとめ
繰り返しとなりますが、手に職があると「いつでも、どこでも働ける選択肢がたくさんある状態を実現しやすい」です。
一方で手に職がない状態だと仕事を選ぶことが難しく、再就職しようと思ってもできないです。劣悪な職場でも辞めるに辞めれない状態になってしまうケースもあります。
人生戦略的にも早いうちに手に職をつける方向で動いておいて損はないでしょう。それがひいては幸福な人生を送るためのベースになりますので。